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診療科

口唇口蓋裂センター

口唇口蓋裂センター

ご挨拶

琉球大学病院口唇口蓋裂(こうしんこうがいれつ)センターでは、口唇裂・口蓋裂(こうしんれつ・こうがいれつ)の患者さんが抱えるさまざまな問題について、哺乳、手術、ことば、咬み合わせの治療など各科・多職種が協力して一貫(いっかん)した治療(一貫治療)をおこなっています。
一貫治療とは、患者さん個々のさまざまな問題を、成長や発育に応じて適切な時期に適切な治療を提供することです。そのためには、各分野のスペシャリストが協力したチーム医療が非常に重要で、琉球大学病院口唇口蓋裂センターでは、歯科口腔外科・形成外科・耳鼻咽喉科・小児科・産婦人科の医師ならびに歯科医師(歯科口腔外科医や歯科矯正医、言語聴覚士)、病棟看護師で構成されています。
現在では、口唇裂・口蓋裂は適切な治療を受ければ形のうえでも機能的にも良い結果が得られるようになりました。私たちはご家族の皆様と力を合わせて、心身ともに健全な子供さんに育てられるように願っております。
尚、不明な点や相談等ありましたら、力のおよぶ限りお役に立ちたいと思っております。気軽に私たちにお声を掛けてください。

診療内容

口唇口蓋裂の患者さんには、前述の通りいろいろな問題が見られることがあります。問題を一つずつ解決し、子供さんの健やかな成長発達のために、総合的な観点から口唇口蓋裂治療をおこなうことがよいといわれています。

  • 初診から口唇形成術まで:
    患者さんを診察した後に哺乳指導をおこない、患者さんのご家族には今後の治療スケジュールについてオリエンテーションをおこないます。また、口蓋形態と哺乳障害を改善するためにHOTZ床(ほっつしょう)(人工口蓋床)を、鼻の変形があるときには鼻の形態を改善するNAM(なむ)という装置を装着して、よりよい手術成績になるように努めます。口唇形成術は生後3~4か月頃におこなうため、時期が近づいたら全身状態をチェックし、全身麻酔や手術に備えます。口唇形成術は入院、全身麻酔下でおこない、手術後はおよそ1週間で退院となります。琉球大学病院口唇口蓋裂センターでは、口唇や鼻の手術は、美容手術のスペシャリストである形成外科医が担当します。
  • 口唇形成術後から口蓋形成術まで:
    口唇形成術退院後は、外来にて傷の状態を観察します。傷が目立たなくなるようにテープを傷に貼ったり、内服薬を服用したりして術後3か月までは月1回、その後は3か月毎に診察します.HOTZ床は引き続き使用し、上あごの形態の改善を図ります。生後6か月前後になると歯が生えてきますので、虫歯にならないように口腔衛生管理を始めていきます。口蓋形成術は1歳6か月頃におこないます。琉球大学病院口唇口蓋裂センターでは、口の中の手術(口蓋形成術は後ほど述べます、顎裂部に腸骨を移植する手術)は、口腔内手術のスペシャリストである歯科口腔外科医が担当します。また、口蓋裂手術前は中耳炎にかかりやすいので院内外の耳鼻咽喉科で診察していただくことがあります。*腸骨:腰の骨
  • 言語管理:
    口蓋形成術が終わって1か月経過した頃からことばの練習が始まります。はじめからことばを話す練習はできませんが、鼻咽腔閉鎖機能を獲得するため、遊びを通して吹く練習をおこないます。発語は次第に多くなり、ことばが完成しますので、その経過を観察して異常な発音があれば訓練をおこないます。琉球大学病院口唇口蓋裂センターでは、口蓋裂言語が専門の言語聴覚士が担当します。
  • 咬合管理:
    口唇口蓋裂の患者さんは咬み合わせの管理が必要となることが多いです。4歳頃に歯科矯正医による咬合管理を開始します。顎裂がある場合は小学校中~高学年の時期に顎裂部に腸骨を移植する手術をおこないます。あごの大きさのバランスを考え、外科的な矯正治療をおこなう患者さんもいます。琉球大学病院口唇口蓋裂センターでは、常勤の歯科矯正医が担当します。
  • 口唇・鼻の修正:
    術後経過から修正が必要と思われる場合におこないます。こちらも、美容手術のスペシャリストである形成外科医が担当します。

得意分野

  • 口唇口蓋裂の一貫治療

医師紹介

教授

清水 雄介

しみず ゆうすけ

専門分野
  • 形成外科一般
  • 眼のまわりの形成外科
  • 悪性腫瘍切除後再建(マイクロサージャリー)
  • 乳房再建
  • 顔面神経麻痺再建
認定資格
  • 日本形成外科学会専門医
  • 日本美容外科学会専門医(JSAPS)
  • 日本小児形成外科分野指導医
  • 日本マイクロサージャリー分野指導医
所属学会
  • 日本形成外科手術手技学会 理事
  • 沖縄形成外科研究会 理事
  • 日本美容外科学会(JSAPS) 評議員
  • 日本形成外科学会 学術委員会委員
  • 日本頭蓋顎顔面外科学会 代議員
  • 日本頭蓋顎顔面外科学会ガイドライン作成委員会(眼瞼)統括責任者
  • 日本褥瘡学会 九州・沖縄地方会 世話人
  • 日本創傷外科学会 編集委員
  • 九州・沖縄形成外科学会 世話人
  • 九州頭頸部がんフォーラム 世話人
  • 株式会社Grancell 学術顧問(https://grancell.co.jp/)
  • Advances in Plastic and Reconstructive Surgery Editorial Board
  • Mathews Journal of Surgery Editorial Board
  • Austin Journal of Musculoskeltal Disorders Editorial Board
  • JSM Oro Facial Surgeries Editorial Board
  • JSM Anatomy & Physiology Editorial Board

教授、歯科口腔外科長、歯科医師臨床研修支援室長、口唇口蓋裂センター長、口腔ケアセンター長、臨床研修センター 歯科部門長

中村 博幸

なかむら ひろゆき

専門分野
  • 歯科口腔外科

医員

安里 令子

あさと れいこ

専門分野
  • 小児形成(口唇裂、漏斗胸)
  • リンパ浮腫
  • 乳房再建
  • 形成外科一般
認定資格
  • 日本形成外科学会専門医
所属学会
  • 日本形成外科学会
  • 日本頭蓋顎顔面外科学会
  • 日本口蓋裂学会
  • 日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会

特命助教

松浦 直樹

まつうら なおき

専門分野
  • 形成外科一般
  • 悪性腫瘍切除後再建(マイクロサージャリー)
  • 顔面神経麻痺再建
  • 外鼻形成(斜鼻治療)
認定資格
  • 日本形成外科学会専門医
所属学会
  • 日本形成外科学会
  • 日本フットケア・足病医学会
  • 日本褥瘡学会

助教(医局長)

井手 健太郎

いで けんたろう

専門分野
  • 歯科口腔外科

病院助教

津嘉山 真弓

つかやま まゆみ

専門分野
  • 小児科
認定資格
  • 日本小児科学会専門医
所属学会
  • 日本小児科学会
  • 日本新生児育成学会
  • 日本周産期新生児学会

助教

知念 行子

ちねん ゆきこ

専門分野
  • 産科・周産期
  • 産婦人科遺伝医療
認定資格
  • 日本産科婦人科学会 産婦人科専門医
  • 日本周産期・新生児医学会(母体・胎児)専門医・指導医
  • 日本産科婦人科遺伝診療学会認定医(周産期)
  • 臨床遺伝専門医、母体保護法指定医
所属学会
  • 日本産科婦人科学会
  • 日本産婦人科医会
  • 沖縄県医師会
  • 日本周産期・新生児医学会
  • 日本遺伝カウンセリング学会

近藤 俊輔

助教

片岡 恵一

かたおか けいいち

専門分野
  • 矯正歯科

佐久間 博明

比嘉 泉

鈴木 梨沙子

島袋 亜香里

診療実績

2023年度実績

  • 口唇裂手術(12件)
  • 口蓋裂手術(5件)
  • 骨移植手術(3件)

患者さまのご紹介について

出生前のエコー検査で唇裂が疑われるケースや、唇顎口蓋裂の症状が認められるお子様が出生された際には、当院口唇口蓋裂センター(問い合わせ先:歯科口腔外科 井手)までどうかお気軽にご連絡ください。
当院のセンター員が、親御様への説明のために貴院にお伺いさせていただきます。

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