院⻑挨拶
琉球大学病院は、2025年(令和7年)1月より西普天間キャンパスの新病院において診療を開始いたします。新病院の建設・整備や移転業務にご理解・ご協力をいただきました各方面の関係者の皆さま、地域住民の皆さまに心から御礼申し上げます。
本院は、「病める人の立場に立った、質の高い医療を提供するとともに、地域・社会に貢献する優れた医療人を育成する」を理念として掲げています。「病める人の立場に立った、質の高い医療」とは、医療を受ける側からは、提供される医療が安全・安心であり、かつそれが患者中心であることを指し、医療提供側からは、提供する医療が安全・安心であり、患者から信頼されていることと考えています。このような医療機能について、2020年から2021年にかけて公益財団法人日本医療機能評価機構の審査を受け、病院機能評価(3rdG:Ver2.0)の認定証を受けました。職員が一丸となって改善に向けて取り組むことで、実質的な医療の質の向上も進みました。今後も、自律的かつ継続的な医療の質の向上を図ってまいります。
離島県沖縄のおかれた地域性を考えると、本院は地域完結医療の「最後の砦」として、急性期医療等の総合的診療から専門性の高い高度・先進医療までの幅広い診療を行うことが求められています。さらに、医学部とともに人材育成機関として、地域医療を理解する医療者を育成し、離島や北部地域の人材派遣などの支援などを通して沖縄の地域医療を守ることも使命の一つです。加えて、近年の進歩が著しいDX、ICT、さらにAIなどの先端技術を生かした新しい医療の開発にも取り組み、医学研究科との連携による細胞工学やゲノム科学などに根ざした様々な先進医療の開発、さらに、それらを沖縄県の医療産業の振興と連携しながら進めることも期待されています。
琉球大学病院及び医学部の移転計画は、軍用地跡地利用の国家モデルプロジェクトとして進行しており、「国際化」、「人材育成」、「先端研究・産業振興」、「医療水準の向上」の4つの柱を中心にさまざまなプロジェクトを実施中です。沖縄の未来の医療を創造すること、それらを沖縄から、全国、アジア、世界に発信することを目指しています。新しい病院では、沖縄県初の高度救命救急センターの運営を予定しています。ヘリポートも完備して、患者の輸送を直接受けることができるようになります。また、手術室、カテーテル治療室、集中治療室を増やすのみならず、それらに最新の検査・治療機器を配置する予定です。これらの先進・高度医療の実施を通じ、これまでの琉大病院のミッションをさらに確実に果たせるようにと考えています。
引き続きご支援のほどお願い申し上げます。
琉球大学病院長 大屋 祐輔