琉球大学病院について
輸血とは、病気やけがなどで失われた血液の成分を補うため、健康な人の血液を患者さんの体内に入れる治療法です。輸血が必要なケースとしては、手術中の出血、貧血、血液疾患などが挙げられます。輸血には、自分自身の血液を事前に採取し貯蔵しておく「自己血輸血」と、他の方から提供された血液を使う「同種血輸血」があります。
当院では、『輸血療法の実施に関する指針』に準拠し、24時間体制で安全かつ適正な輸血業務を行っています。
輸血を行う前には、担当医が輸血の必要性、効果、リスクについて説明を行い、同意を得た上で準備を整えます。輸血実施時には、ダブルチェックおよび電子カルテシステムによる照合作業を通じて、安全対策を徹底しています。また、輸血後も経過を注意深く観察し、万が一副作用が発生した場合には迅速かつ適切に対応いたします。
さらに、病院内の他職種と連携し、定期的に輸血療法委員会を開催しています。委員会では、輸血に関するマニュアルの作成、輸血副作用の症例検討、医療スタッフへの研修、ならびに輸血業務の課題・問題点の提起とその改善に努めています。
輸血前には患者さんの血液型を正確に確認するための血液型検査を実施し、患者さんの血液と輸血用血液の適合性を確認するための交差適合試験を必ず行います。これらの検査は安全な輸血を行うために不可欠です。検査結果は通常数時間以内に報告されますが、緊急の場合は迅速に対応できる体制を整えています。