琉球大学大学院医学研究科 胸部心臓血管外科学講座(琉球大学病院 第二外科)

アクセス
〒903-0215 沖縄県中頭郡西原町字上原207番地
Information

IMPELLAの導入
補助循環用ポンプカテーテル「IMPELLA」をご紹介します

「IMPELLA」とは

IMPELLA

 補助循環用ポンプカテーテルで、カテーテルの先端に小型軸流ポンプと脱送血用カニュラ(脱血は心室、送血は大動脈基部)を装備した定常流のポンプカテーテル。標準的なカテーテル挿入手順で挿入できる。
経皮的に大腿動脈から上行大動脈を経由し、大動脈弁を通って左心室へ挿入する。大腿動脈穿刺にて挿入可能なIMPELLA 2.5 (最 大補助流量2.5 l/min)と,大腿動脈または鎖骨下動脈のカットダウン(または吻合した人工血管から挿入)にて挿入 (または吻合した人工血管から挿入)するIMPELLA 5.0(最大補助流量5.0 l/ min)、これらの中間の大きさである IMPELLA CP(最大保補助流量3.7L/min)がある。

IMPELLAの働き

 全身血液循環の改善とともに、心室から直接脱血することで左心室の負荷が軽減されることが期待される。
容積と圧力の双方が減少し、最大冠血流量が増加する。これらの変化によって、心筋の酸素需給バランスが改善され、 自己心機能を回復するのに最適な条件をもたらすと考えられる。
簡易に確立できる補助人工心臓(VAD)的要素を備えている。カテーテルVADであるため、ショック時の対応が迅速かつ低侵襲に装着可能。

導入の背景

 薬剤治療抵抗性の急性心不全に対する治療として我が国では大動脈バルーンパンピング(intra aor tic balloon pumping, IABP),経皮的心肺補助装置(percutaneous caidiopulmonary support, PCPS=extracorporeal membranous oxygenation ECMO)などの循環補助が使用されてきたが,これらの装置は十分な血行動態の改善、 十分な流量がとれない、左室のunloadingができない場合や,身体への侵襲が大きいといったデメリットがあった。
しかし,2017年9月より低侵襲に十分な循環補助および左室の unloadingができる補助循環用ポンプカテーテル (IMPELLA)が保険償還された。PCPSと異なり左室の後負荷を増大させることがないため,PCPSの欠点を補うデバイスとしての期待が高い。

補助循環用ポンプカテーテルIMPELLAを使用された患者様へ

IMPELLA IMPELLA