特定行為看護師の養成
看護部長

 特定行為看護師って何?と思われている方が殆どではないでしょうか。資格ではありませんが、事前に定められた手順書(包括指示)を基に、対象となる患者さんの病状を見極め、一定の診療の補助行為(特定行為)を行うことができる看護師のことです。看護師が特定行為を実施するにあたっては、看護師特定行為研修指定機関での研修を修了することが要件となります。この研修は、国の制度として2015年よりスタートし、超高齢社会に向けて在宅医療を支える高度な知識と技術を身に着けた看護師を養成することを目的としています。
 琉大病院では、今年4月より沖縄県では初の看護師特定行為研修を開始しています。国から指定された特定行為は21区分38行為ありますが、当院の研修では「持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整」「脱水症状に対する輸液による補正」、「創部ドレーンの抜去」の2区分3行為について履修することができます。臨床推論やフィジカルアセスメント、臨床薬理学等の共通科目(321時間:講義・演習・実習を含む)を6ヶ月間で学び、その後、選択した特定行為を区分別科目として学ぶプログラムとなっています。特定行為を安全に行うのに必要な知識・技術が確実に修得できるよう、web上で繰り返し学べるeラーニングを活用しています。研修を修了した看護師は、手順書を基に自身の判断で患者さんのニーズに、より迅速に応じることができますので患者さんの満足や看護師自身のやりがいにも繋がります。

 当院では、急性期から在宅医療に至るまで 、患者さんの状況に応じて質の高い医療・看護を提供できるよう、チーム医療のキーパーソンとして活躍できる高度な実践力を備えた看護師の養成を目指しています。これから始まる看護師特定行為実習においては、患者さん・ご家族、職員の皆様のご理解とご協力を宜しくお願い申し上げます。


看護師の特定行為について  
 HOTLINEをお読みになっている皆様こんにちは!感染管理認定看護師の眞榮城咲子(まえしろ さきこ)と申します。私は病院全体で感染対策を中心に活動をさせて頂いている看護師です。さて早速ですが、特定行為っていったい何だろう?と思いませんか。(病院の掲示板でも特定行為という言葉があったような・・・)
 この特定行為というのは、簡単に言いますと、医師がこれまで実施していた行為のうち、いくつかを看護師が実施することができる行為です。この特定行為というのは、保健師助産師看護師法第五条で決められた「診療の補助」の範疇となりますので、看護師だけの判断で特定行為を実施することはできません。まず、医師または歯科医師が看護師に診療の補助を行わせる患者さんの病状の範囲を決め、実施して良い診療の補助内容を決定し文書を作成します。これが手順書となります。手順書により特定行為を行う場合には、実践的な理解力、思考力及び判断力並びに高度かつ専門的な知識及び技能を修得するため、指定研修期間で特定行為研修を受ける必要があります。現在38行為が指定されており、私はそのうちの3つの行為(@感染兆候がある者に対する薬剤の臨時投与、A持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整、B脱水症状に対する輸液による補正)について研修を受け、平成30年3月に公益社団法人日本看護協会で特定行為研修を修了いたしました。今後は、感染対策はもちろんですが、患者さんお一人お一人の感染症治療について、患者さん、ご家族を含むチームと共に考えることができる活動を行いたいと考えております。どうぞ宜しくお願いいたします。