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光学医療診療部部長 診療教授
きんじょうふくのり
金城福則先生 |
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わが国では年間約100万人の方々が亡くなりますが、その内、約3割30万人は悪性新生物すなわち「癌」で亡くなっています。一方、「癌」は早期発見・早期治療で完治する症例も少なくありません。進行してしまえば死に至る胃癌や大腸癌、食道癌なども早期に診断すれば開腹手術を行うことなしに内視鏡のみで治療できます(癌を切除する)。
このような技術と能力を有する医師に日本消化器内視鏡学会は専門医の資格を与えています。沖縄県内には123名の専門医がいますが、琉大病院がその指導施設として専門医の育成に携わり、これまでに多くの専門医を輩出してきました。現在も3名の指導医と8名の専門医が中心となり、消化器癌の早期発見や治療などに従事するとともに専門医の育成も行っています。
胃や大腸の内視鏡検査は苦しいものと思い込み、検診や人間ドックで精密検査を勧められているにもかかわらず内視鏡検査を受けない方々が多いことが大きな問題となっています。最近では内視鏡はかなり細くなり、鼻から挿入して、会話をしながら食道・胃の検査ができるほどに機器の開発も著しく進歩しています。「癌」は死に至る怖い病気です。しかし、早期に診断し治療すれば完治する病気でもあります。40歳を過ぎた方々は、大学病院など専門医のいる施設で、自ら進んで内視鏡検査を受けることをお勧め致します。
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