診療の紹介
中西浩一 小児科教授

「小児科医は子どもたちの総合医」

「小児科医」と聞くと皆さんはどのようなイメージをお持ちでしょうか。「子どものお医者さん」「子どものことは何でも」「子どもっぽい」「子ども好き」そんな感じでしょうか。いずれもそのとおりです。日本小児科学会のホームページには、「小児科医は子どもたちの総合医です」と謳われています。小児科医は、まずは心を含め全身を診る総合医的能力が求められ、当科では全員がそれを心がけ日々の診療に従事しています。子どもと大人の違いは発達の有無です。身体はもちろんのこと、精神的にも社会的にも発達に配慮して、丁寧に対応していくことを実践しています。 一方、小児科の特徴は多くの専門分野を担当することです。当科にも多くの専門分野がありそれぞれの分野に配慮し、患者さんとその家族のことを一番に考えてきめ細やかな診療をしています。  医師が患者さんから元気をもらうことが多いのも小児科の特徴です。病気で大変だった子どもたちが、元気になって笑顔をみせてくれる時、大きな喜びを感じます。大変なことがあっても忘れさせてくれるパワーがあります。もちろん、どの診療科においてもそのような側面はあるだろうと思いますが、子どもたちには何ものにも代えられない魅力があります。 小児科の診察室や処置室にはアンパンマンやマリオの絵が貼ってあったり、四季折々のイベントの飾り付けがされていたりします。このような細やかなことでも、子どもたちの苦痛の軽減に繋がると小児科医は信じています。また、そのような気持ちを大切にしていきたいと考えています。実際、多くの子ども病院では内装全体が子どもの癒やしに繋がるように作られています。当院も6年後に移転をする予定ですので、大学病院といえども新しい小児病棟は優しく子どもたちを包み込むような他の病棟とは違う内装にできればと考えています。臨床実習で小児科に配属される学生さんにも、このような観点が小児科では重要であることを日々伝えています。「ばいばい」とか「いないいないばー」とかを普通に子どもたちにやってしまうのが小児科医です。 大学の使命として研究も重要です。ただし、当科の研究は単独に成り立つものではなく、常に診療と表裏一体でありリサーチマインドを持って診療にあたり、そこから生じた問題や疑問を解決する研究を推進しています。 今後、沖縄県の小児医療ならびに琉球大学のさらなる発展のため医局員一同力を合わせ頑張っていきますので、ご支援ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。