大屋祐輔 病院長

巻頭挨拶 院長就任に際して
 平成の最後の年である平成31年(2019年)4月1日より琉大病院の病院長となりました第三内科教授の大屋です。循環器、腎臓、高血圧、脳神経、脳卒中などの分野の内科を担当していました。また、この4年間は藤田次郎前病院長のもと、副院長として病院管理の勉強をさせていただいていました。さらに、直近の2年間は、医療安全管理責任者および安全管理対策室長として、さまざまな医療職、また、事務部と、琉大病院の安心安全の医療を促進する取り組みを行ってきました。琉大病院は、沖縄県唯一の特定機能病院です。特定機能病院は通常の治療では直すことができなかった病気などに対して、最新の医療、高度な医療を行うこと、また、それを開発すること、また、それらを行う人材を育成する病院のことです。私たち琉大病院は、沖縄県民や沖縄の医療界にとって、「最後の砦」として機能することを求められています。「県外に行かなくても、沖縄県の中で必要な医療を受けることができる」こと、これが琉大病院設立時からの沖縄県民の期待です。とくに、この10年間は、最新の技術や機器の導入も進み、全国の大学病院に負けないような実績が積み上がってきています。沖縄県民のこのような期待に添うために、琉大病院の職員は、継続して、研鑽を積み、医療に対する知識や技能を磨くだけでなく、医療安全を最優先に、患者さんやそのご家族の皆さんにとり安心で信頼されるような医療を目指しています。
 さて、6年後(令和6年度:2024年度)に琉球大学医学部と附属病院は、西普天間住宅地区に移転します。この計画は、跡地再開発計画のモデルケースとして、県内のみならず全国からも注目されています。そこでは、琉大病院はこれまでの、沖縄県民の健康を守るというミッションをより確実に実行するのみならず、未来型の医療の実現や開発を目指すこと、沖縄やアジアに根ざした医学研究を行い、医療イノベーションを推進することで、“国際性・離島の特性を踏まえた沖縄健康医療拠点”形成の中心施設となることを目指しています。病院長として、この計画を進めるにあたって責務も担うことになりました。たいへん荷が重いことですが、この計画が、沖縄発展の新しいエンジンとなれるように、沖縄県民の誇りとなるような施設になれるように、医学部・附属病院が一丸となって、これからの6年間を準備したいと思いますので、皆様の温かいご支援をお願い申し上げます。