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 平成22年4月より附属病院周産母子センター長を拝命致しました。この機会に周産母子センターを紹介したいと思います。当センターには妊娠したお母さんを診療する産科・周産期部門(担当医師:佐久本准教授、正本准教授、他7名)、と未熟児や合併症のある新生児を集中的に診療する新生児集中治療部門NICU(担当医師:安里講師、吉田講師、他4名)があります。また、当センター内には不妊症治療として体外授精胚移植、顕微授精などを行う生殖内分泌部門(担当医師:銘苅助教、他3名)も設置されています。
 ご存じのように、産科医療は高度に発展してきました。以前には考えられなかったような早産児、低出生体重児も救命できるようになりました。しかし、妊娠26週以下ではまだ助けられない赤ちゃんもいます。未熟性や感染症のために視覚や聴覚の異常、精神運動発達の遅れる乳児がみられます。早産児を減らすために妊娠中の母親の管理がとても大切になります。本院では糖尿病や心臓病、高血圧症、膠原病などを合併しているお母さんたちを多く取り扱っています。妊娠を許可できるかどうかから始まり、合併している病気が妊娠やお腹の赤ちゃんにどのように影響するか考える必要があります。飲んでいる薬の赤ちゃんへの影響も調べます。病気によっては母親や児の状態を考えて、早めに分娩に持っていく必要が出てきます。この場合、新生児専門医と連携を密にして十分検討し、娩出の時期を計画します。超音波検査が発達し、お母さんのお腹の中で赤ちゃんの異常が疑われることがあります。繰り返し超音波検査を行い、MRI検査なども参考にしながら出生前診断を行っていきます。診断がつくと出生後の児の状態を前もって説明され、新生児専門医とともに管理します。出生した新生児は直ちに新生児集中治療室NICUに入院し、集中治療を受けることになります。お産の前まで特に異常を指摘されなかった場合でも、突然、予想していなかった分娩の異常や新生児の異常などが起こることがあります。その場合でも麻酔科、手術室、新生児の専門医、看護師、助産師と一緒になって、緊急帝王切開などの適切な処置を行います。
 他の県立病院とも連携を図りながら、母体搬送、新生児搬送を受け入れています。年間分娩数は260例で帝王切開率は約36%です。妊婦さんに安心してお産をしてもらうように努力し、生まれた赤ちゃんが元気に健やかに育つように周産母子センターのスタッフ一同は心より願って、さらに頑張りたいと思います。

 
 
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