骨髄バンク認定施設に

 血縁者(主に兄弟)のあいだで白血球の型(HLA型)が一致しない場合に、骨髄バンクを通じて行う骨髄移植のことを非血縁者骨髄移植といいます。当県にはこれまで非血縁者間骨髄移植・採取の認定施設がなく、骨髄バンクにてHLA型の適合した患者様や骨髄を提供してくださる方(ドナー)は、他の都道府県の病院で骨髄移植や採取を行わなければなりませんでした。そのため患者様の経済的、精神的負担やドナーの方の時間的制約という問題があり、そのコーディネートに苦慮しているのが現状でした。

 しかし、本年6月1日付で当院(第二内科および小児科)が財団法人骨髄移植推進財団(骨髄バンク)より骨髄移植および採取認定施設として正式に認められました。骨髄バンクを通じて非血縁者間骨髄移植および骨髄採取を、当院で行うことができるようになったわけです。

 これにより今後は、患者様やドナーの方の負担が解消できると考えております。

 さて、第二内科血液グループでは平成4年2月に沖縄県で最初の血縁者間同種骨髄移植を行いました。その後も小児科血液・腫瘍グループと協力しながら、白血病や骨髄異形成症候群等の治療が困難な血液疾患に対して骨髄移植を積極的に行ってきました。

 今日では新たな移植(造血細胞移植)の方法も開発されております。当科でもすでに血液中にごくわずかに含まれる造血幹細胞を利用した自己末梢血幹細胞移植を3例、同種末梢血幹細胞移植を1例経験しております。

 更に、より純化した造血幹細胞を用いる選択的CD34陽性細胞による同種骨髄移植、選択的CD34陽性細胞による同種および自己末梢血幹細胞移植が実施可能です。

 また治療部門以外では、平成9年度には高度先進医療(造血器腫瘍のDNA診断)施設として厚生省から正式に承認を受けました。

 今後も、第二内科血液グループおよび小児科血液・腫瘍グループでは国内外の最先端の医療技術を積極的に導入し、県民の皆様に御提供できますよう努力し続けていく覚悟でおります。

                              第二内科(血液グループ) 増田 昌人



特定疾患の対象疾患が増えました

−ファブリー病が追加−

 特定疾患とは、現代医学でも原因不明で治療法が確立されていない病気に関して治療研究事業を推進して、その医療の確立、普及を図り、また患者様の治療費の負担を軽減する制度です。

 昭和47年に厚生省からベーチェット病が指定されてから今回のファブリー病(平成11年4月)まで44項目が指定されています。主治医から特定疾患の確定診断を受けた患者様は、保健所に申請することにより医療費が一部免除又は全額免除の適用を受けることができます。

 申請については主治医から指導がありますが、医事相談室においても申請手続きの説明やパンフレットを配布しています。また、患者様の中で疾患名が特定疾患に該当していて、申請されていない方がおられましたら医事相談室で申請手続きの説明を行います。(一部の特定疾患は、診断基準により公費扱いとならない場合もあります。)

  1 ベーチェット病
  2 多発性硬化症
  3 重症筋無力症
  4 全身性エリテマトーデス
  5 スモン
  6 再生不良性貧血
  7 サルコイドシース
  8 筋萎縮性側索硬化症
  9 強皮症・皮膚筋炎及び多発性筋炎
 10 特発性血小板減少性紫班病
 11 結節性動脈周囲炎
 12 潰瘍性大腸炎
 13 大動脈炎症候群
 14 ビュルガー病
 15 天疱瘡
 16 脊髄小脳変性症
 17 クローン病
 18 難病性の肝炎のうち劇症肝炎
 19 悪性関節リウマチ
 20 パーキンソン病
 21 アミロイドーシス
 23 脊柱靭帯骨化症 
 23 ハンチントン舞踏病
 24 ウィリス動脈輪閉塞症
 25 ウェゲナー肉芽腫症
 26 特発性拡張型(うっ血型)心筋症
 27 シャイ・ドレーガー症候群
 28 表皮水疱症(接合部型及び栄養障害型)
 29 膿疱性乾癬
 30 広範脊柱管狭窄症
 31 原発性胆汁性肝硬変
 32 重症急性膵炎
 33 特発性大腿骨頭壊死症
 34 混合性結合組織病
 35 原発性免疫不全症候群
 36 特発性間質性肺炎
 37 網膜色素変性症
 38 クロイツフェルト・ヤコブ病
 39 原発性肺高血圧症
 40 神経線維腫症
 41 亜急性硬化性全脳炎
 42 バッド・キアリ症候群
 43 特発性慢性肺血栓塞栓症(肺高血圧型)
 44 ファブリー(Fabry)病




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