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古謝景春 病院長退任にあたって
古謝 景春
平成16年3月31日には古謝病院長が辞任されました。新しい病院に対して色々な要望と今後の病院のあり方について辞任の挨拶をされました。そのお話は病院の新しく変わる方向を示しておりますので、皆様に読んでいただきたいと思います。

平成14年4月から2年間附属病院長を拝命し去る3月31日をもって退任致しました。在任中は岩政輝男医学部長を始め太田孝男副院長、澤口昭一・齋藤厚・植田真一郎各病院長補佐、古泉浩司事務部長、川満和子看護部長、各種委員会委員長、臨床各科の診療科長および全職員のご協力を頂き、大過なく退任を迎えることが出来ました。ここに改めまして皆様方に心から厚く御礼を申し上げます。2年間を振り返ってみますと新システムへの移行・包括医療の導入・リスクマネジメントの推進・日本医療機能評価機構への対応・病院の経営改善への努力・新医師臨床研修制度への環境整備・独立法人化への準備等実に多くの懸案事項に直面致しました。教職員800名余を擁する附属病院長は優れた人格・指導力・医療制度に対する豊富な知識・経営能力を持ち合わせた人物であるべきであるが、もとより1心臓血管外科医の私は病院長としての才覚に乏しく、決して満足の行く成果を残せなかったことを深く反省致しております。
 さて2年間の在任期間中に最も留意したことは患者様の安全確保・医療事故の防止であります。ご承知のとおり琉大附属病院でも平成13年4月に安全管理対策室が設置され、併任室長・専任リスクマネ−ジャ−・事務職員を中心に日夜医療事故・ニアミスの集計と分析に熱意を注ぎ、本院における安全管理体制はさらに充実してまいりました。また平成12年度から開始された全国国立大学附属病院間の「医療防止のための相互チェック」の導入は、いわゆる外部評価を受けると同時に他の附属病院の進んでいる部門を見学するまたとない機会であり、患者サ-ビスを含めて本院の病院機能改善のために漸次還元されるもの考えております。沖縄県唯一の特定機能病院として我が附属病院はハイリスク患者の診断と治療にあたること機会が多く、医師・看護師・薬剤師・検査技師・放射線技師その他の医療従事者は今後とも一丸となって、医療の進歩に対応する弛まざる知識と技術の修得とこれに基づく安全確保への一層の努力が求められております。本年4月から開始された新医師研修制度においては「研修医に対する安全管理体制」が明記されており、将来の日本の医療界における事故防止に大きく貢献してくれるものと期待しております。
 インフォ−ムドコンセントの徹底は今日の医療の根底であり、緊急事態を除き患者様への充分な説明と同意なしにの医療はあり得ない時代となりました。このような背景には社会における人権意識の向上・マスコミ等による豊富な医療知識の提供などが挙げられます。我が附属病院ではいわゆるセカンドオピニオ
ンを求めて来院する患者様も少なくありませんが、対応する医師は満足のいく説明を行う上からも人間性豊かな人格を有し、専門分野における先端の知識と技術を持ち合わせた指導医・専門医の資格を有することは必須の事項であります。今後の更なる附属病院の飛躍・発展のためには各臨床専門分野における本邦の学会をリ−ドする数多くの優れた医師の輩出・選任が強く期待されるところであります。病院長在任の2年間は同時に琉球大学医師会を代表して沖縄県医師会の理事を務めさせて頂きました。稲富洋明沖縄県医師会長を始め県医師会側は、県内唯一の医育機関であり特定機能病院としての我が附属病院に対する期待は大であり、附属病院施設・資源の有効利用および沖縄県の地域医療支援・地域完結型医療推進のためにも、琉球大学医師会は県医師会活動へさらに積極的に参加していくべきであると考えます。
 本年4月から琉球大学も国立大学法人琉球大学と名称を変更し同時に附属病院の更なる医療の質の向上と経営改善が強く望まれております。全教官・職員が附属病院という職場を愛し患者中心の医療の一層の推進を心掛け、瀧下修一新病院長のもとに一致協力してこれにあたれば必ずや前途は開けるものと確信致しております。附属病院が大学法人化の荒波を乗り越えて一層充実・発展することを祈願して病院長退任の挨拶とさせて頂きます。


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