琉大病院HOTLINE
第 25 号

平成17年2月28日
発行
琉球大学医学部
付属病院広報委員会

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新病院長ごあいさつ


琉球大学病院長 瀧下修一 琉球大学は変わります!

琉球大学病院長 瀧下 修一

 琉球大学病院は平成16年4月1日より国立から国立大学法人に変わりました。新しい日本の医療の改革が始まり、大学病院も変革をしていかねばなりません。琉球大学病院も沖縄県の皆様方にいかに最高で、安全な医療を提供するか模索しております。きたる平成16年4月1日より病院長も新しく変わり、その他病院スタッフも新しくなりました。このホットラインでは病院長就任時の私ども病院職員に対して示された抱負と、新体制でのスタッフを紹介致します。皆様と病院スタッフが協力して新しい改革に取り組む一存です。今後のご協力をよろしくお願い致します。

私は、病院運営について素人ですので、多くの方のご支援を得て、皆さんと一緒にやっていきたいと思いますので何卒宜しくお願い申し上げます。
 私なりに、琉大病院の問題点や課題を考えてみました。ご存知のように、琉球大学は昨年7月からDPC(包括支払い制度)の導入、本日からの法人化、5月から新臨床研修制度の開始など好むと好まざるに拘わらず、試練に立たされています。法人化によって、国からの予算内で黒字経営にしなければなりませんが、経営の合理化によって医療の質を落とすことはできません。DPCの導入、合理化の中で医療の質と安全性の向上を目指すわけです。患者さんを中心とした医療を行うことは、当院の理念である「病める人の立場に立った、質の高い医療を提供する」ということから当然のことです。DPCの導入、在院日数の短縮が行われ、それでいて病床稼働率を上げることが課題になっています。すなわち、攻める医療が大学病院に求められています。患者さんは早くほっぽり出されることになりかねません。優しさがあり、患者さん中心の医療を行うためには相当の努力と改善が必要になります。
 院内の改善は勿論ですが、退院後のケアができる方策、後方の医療機関との連携などを真剣に考える必要があります。また、入院を増やすためには、紹介患者さんを増やすこと、救急の受け入れなどの問題があります。紹介患者さん、あるいは新来の患者さんの診察、診療がスムーズに行えるようにするなど外来システムや内容の改善、紹介していただき易い環境と実績作りが求められます。DPCなどは医療に対する我々の裁量権をせばめるものですが、導入後の診療内容や採算の評価、医療の質の向上と効率化を目指した多くのクリティカル・パスの開発と評価などを急がねばなりません。医療費の削減や合理化で医療の質を落すことなく、よりダイナミックに患者さん中心の医療を行うためには、あらゆる現場で、医療職、事務方各人が自分の責務が何であり、それをどのように果たし、あるいは果たしていく上での問題点は何であるのかを洗い出して頂く必要があります。これは責任者だけの問題ではなく、むしろ第一線の方達にお願いしたいと思います。また、この4月から始まる6年間の中期目標中期計画の達成には、今から着実にとりかからねばなりません。その内容は、(1)患者サービスの向上:患者を中心とした医療を推進すると伴に、高度先進医療を推進。(2)良質な医療人の養成、医学部学生・大学院学生、看護学生、メディカル学生の教育と実習、卒後臨床研修の充実・臓器別専門医、総合診療医および専門・認定看護師の育成。(3)研究成果の診療への反映や先端的医療の導入。(4)適切な医療従事者等の配置:病院長のリーダーシップの強化と、支援体制の整備。(5)説明責任:点検・評価を充実させる。(6)経営の効率化。(7)その他の目標:安全管理体制と危機管理体制の構築となっています。これらの達成が琉大病院の理念に近づく第一歩だと思います。先ずは、本年度の達成目標を果たすため各責任者を中心にやり遂げねばなりません。
 今回の病院長選挙は、法人化に向けて病院長の権限や病院の機構を見直してから行われたものではありません。従来通り行われたものであり、与えられた権限も変わりません。したがって、大胆な人員配置の是正もできないと思います。しかし、その中で、できるだけ皆さんの合意を得ながら、改善を進めたいと思います。繰り返しになりますが、幹部だけがやればよい、あるいは通達を出せばよいというものではありません。単に、決められたルーチンの仕事を疑問もなくやっていては改善はありません。各職種の方々、一人一人が問題点をみつけ、患者さん中心の医療に向けて一丸となってやっていける病院にしたいと思います。何卒宜しくお願い申し上げます。また、各部署、現場の視察も適宜行いますので、その節は宜しくお願いいたします。
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