琉大病院HOTLINE
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地域医療連携ってご存知ですか?
自分の住む地域に、何でも相談できて信頼できるかかりつけの先生がいらしたら安心ですね。もし手術や専門的な治療が必要になったら、それが可能な医療機関に紹介していただくことになるでしょう。病院の中には、高度先進医療を提供する病院もあれば、最先端のリハビリテーションを提供する病院もあります。その時々に最適な医療を受けるために転院が必要となることもあります。退院してかかりつけの診療所に戻るときには、治療内容や経過を報せてもらってあればスムーズに診療してもらえます。在宅医療を希望する患者さんには、往診してくださる先生が必要になります。
 “地域医療連携”とは、このように患者さんが地域で継続性のある適切な医療を受けられるように、病院や診療所が相互に連携を図り役割分担することです。つまり、一つの病院がすべての医療機能を提供するのではなく、地域の状況に応じてそれぞれの医療機関がその機能を十分に発揮し、医療を提供するというものです。
 地域医療部では、これまで以上に琉大病院と地域の医療機関とが円滑に連携・協力しあえるように医療連携の窓口としての活動を開始しました。皆さまが琉大病院に紹介受診されるとき、あるいは琉大病院から退院や転院されるときに、主治医の先生方のお手伝いをします。退院や転院に際し、ご要望やご心配に思われることがありましたら、担当の主治医や看護師にお伝えください。主治医の先生からのご連絡を受けて、地域医療部のソーシャル・ワーカーや専任の看護師が皆様のもとにお伺いいたします。

アニメーションビデオを見せながら、穏やかにこどもを麻酔(ますい)する方法について
ちいさなこどもにとって、自分に対して行われる手術や麻酔の必要性を理解するのは、極めて難しいことです。多くの場合、理解できない、しかも両親をも緊張させる重大なことが、自分の身にふりかかってくることを感じとるのが、やっとではないでしょうか。
 実際、病棟で平気そうにしているこども達も、いざ手術室にはいると不安と恐怖で大泣きしてしまいます。「こどもが泣くのは当たり前」という考えは、手術や麻酔に関しては正しくありません。恐怖のうちに麻酔した場合、やっとできるようになったトイレットトレーニングが麻酔の後からできなくなったり、夜泣きやおねしょをするようになったりします。いずれも、不安や恐怖のためにおこる情緒障害や退行現象と考えられます。
 このように、手術・麻酔を受けるお子さんに対する精神的外傷(心に傷をうけること)は、ご両親にとってたいへん重大な問題です。そこで、最近では、親を一緒に手術室に入室させ、こども達の不安を減らす努力がなされています(母児同時入室)。親についていてもらいながら麻酔するこの方法は、鎮静薬のみに頼っていた従来の方法に比べると格段にこどもの心に優しい方法で、よい成果をあげてきました。しかし、なかには親の緊張がこどもに伝わって、かえって過剰に緊張してしまったり、親がこどもを叱り親子とも興奮したり等、完璧な方法とはいえません。
 ここ琉大病院では、昨年から全く新しい試みとして、アニメーションビデオをこども達にみせながら麻酔をかけるという方法を始めました。手術の前日に診察にきた麻酔科医師が、当日の手順を御両親に説明、必要があればお子さんの好きなビデオを当日朝持参してもらいます。そのビデオを、小型のポータブルビデオ再生機にいれ、アニメーションビデオを上映しながら手術室へ入室、そのまま、麻酔を行うという方法です。この方法をとるようになって、手術室入室前に緊張で泣き出すこどもの数が減り、円滑に麻酔がかけられるようになってきました。
 こどもの麻酔は、大人の麻酔と大きく異なります。それは、こどもが常に成長過程の途上にあって完成していないということです。それだけに、身体のみならず精神や心の面でも、成長を妨げないための注意深い配慮が必要と思われます。私達麻酔科・手術部医師は、これらをふまえ、今後も努力したいと思います。患者様、ご両親の御理解を宜しくお願いいたします。

(麻酔科)徳嶺 譲芳 /(手術部)久田 友治 /(手術部)吉井與志彦
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