第二内科の紹介

 第二内科は、主として内分泌・代謝疾患、循環器疾患、血液疾患を診療しております。
 内分泌疾患の代表的なものとして、甲状腺疾患があります。甲状腺機能(働き)が過剰となる病気にバセドウ病、逆に働きが低下する病気に橋本病があります。どちらも女性に多い病気ですが、適切な治療により症状は殆どの例で速やかに改善します。橋本病の内服治療として、生体で合成されている甲状腺ホルモンと全く同じ薬を内服薬として用います。従って、指示された量を間違わなければ副作用のない安全な薬です。バセドウ病の治療には内服治療、手術、放射性ヨード治療があり、それぞれの患者さん方に最適な治療方針を患者さん方と相談して決定するようにしています。その他の内分泌疾患として、脳下垂体疾患、副甲状腺疾患(血清カルシウムが異常高値となったり、異常低値となる)、副腎疾患(副腎皮質ステロイドホルモンが過剰に分泌されたり、減少したりする)等があります。これら内分泌疾患はいずれも正しい診断のもとに治療を受ければ、殆どの例で症状が改善し、一般の方々と同様な生活を営むことも可能です。家庭医学書等でご自分の具合が上記の内分泌疾患と思われる方や、あるいは体調が変だと思う方は、是非ご相談下さい。
 代謝疾患では糖尿病がその代表で、生活習慣病として知られています。糖尿病は、殆どの症例で自覚症状に乏しく、逆に明らかな自覚症状(口渇、多飲、多尿、体重減少、眼のかすみ、指先のしびれ等)がある時は、糖尿病がかなり進行している場合が少なくありません。定期的な検診を受け、早期に診断し、早期に治療を始めることが大切です。治療と言うと大袈裟に聞こえますが、初期であれば薬なしで、食事や運動等の生活習慣を改善だけで十分治療効果が得られます。但し、糖尿病がかなり進行(血糖が著しく高い、または体重が著しく減少)している場合は、早期にインスリン注射を開始した方がいいと考えられています。インスリン注射器と針が改良され、外来でも注射方法の指導が受けられ、痛みも殆どありません。入院なしでインスリン注射を開始した方も大勢いらっしゃいます。インスリンを一度開始して血糖コントロールが改善すれば、症例によってインスリンが不要になる方もいらっしゃいます。具体的な治療は、患者さん毎によくご話し合って決定します。いずれにしても、早期発見、早期治療を心掛けて下さい。その他の生活習慣病として、高脂血症、高血圧症、肥満症等があります。糖尿病を含め、これらの生活習慣病は、長期の悪い生活習慣が積み重なって発症する訳で、当院では生活習慣の是正を中心とした治療を心掛けています。

 循環器疾患として、虚血性心疾患(狭心症、急性心筋梗塞)や不整脈(脈が不規則となる)等があります。虚血性心疾患は、心臓に酸素を送る冠動脈が狭窄・閉塞する病気で、生活習慣病(高血圧、高脂血症、糖尿病)を有する方や喫煙者に多くみられます。労作時の胸痛や胸部圧迫感が主症状ですが、糖尿病の方は自覚症状が出にくい場合があり、注意が必要です。心臓超音波検査、運動負荷検査(トレッドミル検査)、心筋シンチ、冠動脈造影検査(心臓カテーテル検査)の様々な検査があり、症例により最適な検査を選び、疾患の正確な診断と治療に努めています。診断がつけば、内服治療または経皮的冠動脈形成術(PTCA)等の治療法があります。不整脈には様々なものがあり、上室性頻拍、心房細動、心房粗動、心室頻拍、房室ブロック、洞不全症候群等があります。それぞれ治療法が異なります。頻脈性不整脈(特に上室性頻拍、心房粗動)に対しては、電気的焼灼術(アブレーション)が主流となりつつあり、当科はたいへん優れた治療成績を残しています。
 血液疾患には、白血病や悪性リンパ腫等があります。極度の貧血(ふらつき、立ちくらみ、労作時の息切れや動悸)やリンパ節腫大等が認められたら、お気軽にご相談または受診して下さい。化学療法を始め、最近では、骨髄移植や末梢血幹細胞移植にも、数多く取り組んでおり、成果をあげています。
 第二内科は、教授の高須信行先生ご指導のもと、一方で地域の皆様に貢献できる医療を目指し、他方で大学病院として常に最先端医療を提供できるよう今後とも診療、研究に弛まない努力を続けたいと考えております。第二内科に対するご質問、ご要望等がございましたら、お気軽にお寄せ下さい。
TEL:098-895-1146 FAX:098-895-1415

(第二内科)


末梢血幹細胞採取
末梢血幹細胞採取

 



  前のページ(No.23 p.3)
  次のページ(No.23 p.5)


  琉大病院HOTLINE目次


ホームページに戻る