病院にさわやかな風を
はじめに 患者様の権利意識の高まりとインフォームド・コンセント(患者様の病気、その診断と治療方法の十分説明とその説明された内容の承諾)が日常の診療に根付いた頃(おおよそ10年前)、病気の悩みを抱えられている患者様の立場に立ち、患者様の「生きた声」を反映して、医療サービスをより一層改善しようとの目的で、この「さわやか行政サービス推進委員会」が生まれました。
- 主なさわやか行政サービスの内容
- 患者様に医療サービスの内容をご理解頂き、患者様の声を反映するために、さわやか行政サービスの主な3点を紹介します。
- 1窓口サービス
(1)分かりやすい情報提供、(2)便利な窓口事務、(3)迅速な事務処理、(4)清潔な身だしなみ、(5)親切・ 丁寧な対応、(6)安全(弱者)に配慮した対応、(7)人間性(プライバシーなど)に配慮した対応。
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- 2公共施設利用サービス
- (1)分かりやすい案内標識・案内表示等の整備、(2)清潔な施設の整備(喫煙コーナー等の設置、待 合室、トイレ等の清潔の保持)。
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- 3その他患者様と接する公務サービス
- その内容は、1と2とほぼ同じですから省略させていただきます。
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- 琉球大学附属病院でのさわやか行政サービス
- 患者様よりのご意見をいただくための「ご意見箱」を外来、各階の病棟に設置して、今では毎週回収して、ご意見に誠実に対応し、ご意見の積極的な吸収と業務への活用を行い、医療サービスの改善に努めています。平成11年度と12年度の患者様よりの投書数は各々123件、142件で、主なご意見を紹介します。
- 診療にかかわる事項
外来診療での患者様に対する医療提供者(医師、看護婦、検査、薬局、事務等)の接遇(心暖まる応対の不足)にご意見が集中していました。医師の患者様に対する説明不足、待つ時間に対して迅速、丁寧な窓口事務処理の遅れ、看護婦の身だしなみと丁寧な言葉使いの不足など、種々多数ありました。この点は改善に努めています。
- 病棟、外来の施設に関する事項
トイレの整備・清掃、喫煙場所の完備、食堂・談話室でのマナー等がおもなことで、この点に対しては患者様のご希望にそうよう整備ができています。
- その他
外来患者様の駐車場の整備が完成し、駐車場の不足、放置車両、当て逃げなどは無くなりました。
患者様が満足していただけるための今後の課題患者様に対する医師、看護婦、事務、学生(臨床実習)等の対応の在り方の改善が進んでいない事が、病院全体で取り組むべき課題です。そこで、次のようなことに留意し、教育と改善を行っています。
医師は患者様の話しを良く聞き、患者様の要望に応える。看護婦は服装・身だしなみを清潔に保ち、患者様に親切・丁寧に対応する。事務は事務処理を迅速に行い、窓口・電話などの丁寧に対応する。高齢者・障害者などの弱者やプライバシーに配慮して対応する。
ここで敢えてお願いしたい事は、大学病院は医師を医育する機関ですので学生の臨床実習は必須の教育のために、指導教官のもとで診察を受けられている患者様を観察させていただいています。患者様に失礼がないよう、十分に配慮しています。優秀な医師を育てるためにご協力をお願いします。もし、学生の臨床実習を受けたくない場合は、そのことを主治医ないし指導教官に申し出て下さい。患者様のご希望にそいます。
- 患者様への病院からのお願い
- 医療サービスの改善・向上は、患者様のご意見・希望をくみ取り、積極的に業務に活かすことにつきます。お気付きのご意見をお寄せ下さい。お待ちしています。患者様を「さわやか」にするものは、医療サービスそのものではなく、むしろそれに関係する人々の患者様に対する心温まる、思いやりです。
一方、病院職員は患者様は医療サービスの改善・向上の良き「アドバイザー」「教師」と思っています。そこで、投書によるご意見の他に、医療現場での職員(医師、看護婦、事務員など)に生きた教育(ご意見)をお願いします。この患者様の生きた声が「教官の教育」より数段効果
のある人間教育と信じています。
(さわやか行政サービス推進委員会武藤良弘)
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