着任のご挨拶

  平成13年4月1日付けで教育担当・副看護部長に着任致しました東風平智江美と申します。どうぞ宜しくお願い致します。

 はじめに、私の経歴を簡単に説明いたします。私が看護の道を実際に歩み始めたのは、昭和62年の高校卒業と同時に米国へ留学してからです。 4年間の看護教育を修了し、平成3年に米国カンザス州立ウィチタ大学看護学部を卒業しました。卒業後、看護婦として同州ウィチタ市に在る総合病院、セント・フランシス・リジョナル・メディカル・センターの熱傷科で約4年間勤務しました。熱傷科では、やけどや重度の皮膚障害を負った1歳未満の赤ちゃんから80代まで幅広い年齢層の患者様への看護を経験しました。 又、その他ICU(重症・集中治療科)での看護も経験しました。

 平成7年に米国カンザス州立ウィチタ大学大学院の看護学修士課程を卒業した後沖縄へ戻り、平成8年4月〜平成9年10月琉球大学医学部保健学科助手(基礎看護学教室)として勤務しました。多少の逆カルチャーショックはあったものの、諸先輩方のご指導のもと、大学での看護教育や実習指導に携りました。その後、財団法人沖縄県国際交流・人材育成財団より平成9年度国費留学派遣生として奨学金を頂き、再び米国へ留学しました。

 平成12年にカンザス州立カンザス大学大学院の看護学博士課程を卒業し、現在に至っております。 博士課程では、システム看護や看護研究における測定方法を専門的に学びました。「システム看護」とは、患者様との関係や、看護婦・看護士同士、看護職とその他医療関係者との在り方を考え、その人間関係をいかに看護に生かし、より良い看護につなげていくかを課題とした分野です。

 これからは、米国留学・就業期間中に学んだことを管理、研究、教育の場で生かしていきたいと考えております。これからの医療現場は、医療技術や情報技術の発展に伴いこれまで以上にチーム医療による患者様ケアが必要となります。その為、看護が専門職として、また医療チームの一員としてどのように患者様ケアに関わっていくべきかを常に考え、看護の質の向上が患者様の全人的(身体・精神・社会的)健康回復と維持、ケアへの満足度、そして医療費等の経済面でどのような影響を及ぼすのかを明確に評価することが重要です。又、科学技術の高度化に伴いコンピュータやインターネットの普及が一般化し、遠隔医療や遠隔教育が増加してきた今日、それらが医療や看護の現場において患者様ケアに及ぼす影響も明確にし、対応していかなければなりません。

 最後に、看護スタッフの教育についてですが、患者様や御家族の立場や考えを理解し、尊重しながら専門職者(プロ)として関わっていくには、看護者が自分自身を磨いていくことが大切です。その為には、看護の「心からの思いやり」、caring(ケアリング)を高めるスタッフ教育に携っていくと共に、臨床現場(琉大附属病院)と保健学科との更なる連携による看護学生への教育にも関わっていきたいと思っております。

           

(副看護部長 東風平智江美)

 

 


高齢者の町・サンシティーを訪ねて

 NHK世紀を超えての番組の中で、80代のチアガ−ルが躍動的に巧みにそして楽しそうに踊っている光景が目にとまり、年齢でははかれない高齢者のパワ−に驚きました。そしてアメリカに高齢者の町が存在することをはじめて知りました。そこが今回の訪問先のサンシティ−です。アリゾナ州にあるサンシティ−は、1960年代に資産家のデル ウェップ氏によって世界ではじめて高齢者の町として開発されました。その広大な土地には住宅をはじめとして医療機関、レク・コミュニティ−センタ−、ゴルフ場などの多くの施設が存在します。そこで生活できる条件は年齢が55歳以上のシニアに限られており、全米各地から退職後に移り住んでいる人がほとんどです。100以上の多彩なクラブ活動やボランティア活動があり、住民は何らかの活動に所属しながら社会参加をしています。もちろん私たちの案内役もシニアのボランティアでした。出会う人すべてが、年齢を感じさせないほど美しくお元気でした。各々が自立し自分にあった生活を楽しみながらアクティブに活き活きと過ごされている様は、"第三の人生"を考える上でも多くの示唆を与えてくれます。

 21世紀は高齢者の時代ともいわれています。"第三の人生"が豊かで健康に活き活きと過ごせるには、ケアを担う私たちの役割があらためて重要であることをこの旅で認識させられました。 また私事ではありますが、新世紀の幕開けを外国で迎えたことや私たちの訪問がサンシティ−発行の新聞に載ったことも楽しい旅の思い出になりました。             

(保健学科成人・老人看護学教室国吉 緑)

 




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