平成13年9月21日

     University Hospital University of the Ryukyus          

琉大病院 HOTLINE 第16号

琉球大学医学部附属病院の患者様・職員のための情報誌

 

 

臨床実習・研修の場としての附属病院

  当院は、基本的に、大学医学部の附属病院であり、医育機関であります。教育、診療、研究という三本柱をバランスよく遂行する必要があります。学生の卒前卒後臨床実習・研修の場であるということには、教育のためのスペース、設備、スタッフが整っていること、診療が教育に適合した内容であることが求められます。当院における教育のためのスペース、設備についてみますと、ほとんどゼロに近いといわざるをえません。学生と研修医のための居室、カンファレンスルームをはじめ、患者さんとゆっくり接するためのスペースなど、すべての点で不十分であります。この点は、今後の当院の中長期拡充計画に是非とも盛り込む必要があります。診療内容につきましては、教育のためには、まず一般的に、日常診療において頻度の高い疾患に対するオーソドックスでスタンダードな医療が展開されなければなりません。しかし一方で、当院は、国から認定された特定機能病院であるため、先進的な高度な医療も展開されなければなりません。したがって、これらを両立させるための配慮が必要であり、この点は、他の医学部附属病院の多くと同様な現状にあります。

 近時、わが国の医学部教育は、学生をできるだけ早期に臨床の現場に参加させ、卒前においてもかなりの程度までの臨床経験を持たせようという方向にあります。また、平成16年度から2年間の卒後臨床研修必修化が実施される予定になっています。当院でも既に、協力が予定されている幾つかの病院と連携し、「琉球大学医学部附属病院教育協力関連施設連絡協議会」を発足し、卒後臨床研修のための環境づくりを始めております。今後、当院は、その教育の場として果たす役割がますます重くなると思われます。

 さて、言うまでもなく、医療は患者さんのためにあるわけでありますから、卒前卒後教育が、診療の妨げになることは許されません。学生や研修医は、自分の求めたいこと、与えられたことについて一生懸命でしょう。わたくしたち教育に携わるスタッフは、学生と研修医の気構え、心構えを理解し、これをよくコントロールし、一方で、患者さんが迷惑をこうむったり、不愉快な思いをしたりしないように、十分に気配りし、注意をはらうことが必要であります。この点は、医療の現場ではきわめて重大な問題であります。最近、患者さんからのご意見として、この点に関するものが時々みられます。清潔なきちんとした身なり、正しい礼儀作法はもっとも基本的にして大切なことです。職員のみなさんは、自分自身で自己管理を徹底してください。

 つぎの世代の医療を担う学生、研修医が充実した臨床実習・研修を積めるように、また、患者さんに満足いただける医療を提供できますように、職員のみなさんには、一層のご努力とご協力をお願いいたします。                                     

(病院長 金澤浩二)

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