第二内科は内分泌、循環器と血液腫瘍

 

 内分泌代謝グループ

 我々は、内分泌代謝疾患をもつ患者様を診療しています。内分泌代謝疾患とは、「ホルモンの乱れに起因する病気」を総称するものです。バセドウ病、橋本病、下垂体、副腎や糖尿病などの各種ホルモン過剰症および欠乏症の他、高脂血症、痛風、肥満・やせなどが含まれます。甲状腺機能低下症・亢進症の治療の中止や寛解の指標を確立して生活の質を高める診療を行っています。副腎皮質疾患、内分泌性高血圧の診断治療に分子生物学的検討を行っています。糖尿病専門外来や教育入院をとおして糖尿病患者に適切な治療と生活指導を行っています。住民検診から糖尿病の各種要因を探り、糖尿病発症予防のための啓蒙活動に力を入れています。

 近年、糖尿病の患者さんは、増加傾向にあり、厚生省の調査では、糖尿病の患者さんの数が日本全体で690万人、糖尿病の可能性がある人を含めると1370万人、日本人の10人に1人以上という数にまで増加してきています。当院でも、患者様の数は増加している上に、様々な合併症をもっている方が多くなっております。しかし一人の患者様に対する診療時間は、それに反比例して徐々に短くなっているのが現状です。このような状態を少しでも改善するため、「糖尿病療養指導士」という制度ができました。これは、医師の指導のもと、食事やインスリン注射の指導、糖尿病の一般的知識の教育を行うスタッフで、全国規模の試験に合格した人で構成されています。当科の外来にも配属されています。糖尿病診療のレベルアップにつながり、糖尿病の患者さんの診療がより充実したものになるものと思います。

 循環器グループ

 我々は心臓や血管の病気を診療しています。不整脈の分野に特に力をいれています。薬剤抵抗性で難治性の不整脈に対しては、先端医療であるカテーテルアブレーションや植え込み型除細動器を行っています。カテーテルアブレーションは、心臓内から不整脈のもとになる部分を電気的に焼灼することで、不整脈を根治する方法です。この治療により250名以上の患者さんで不整脈を根治しました。これは全国の不整脈専門病院のなかでも優秀な成績です。致死的な不整脈に対しては、県内唯一の認定施設として植え込み型除細動器の植え込みも行っています。県内全域あるいは九州から紹介されてきた多くの難治性不整脈の方々に最善の医療を行えるよう努めています。

  血液・腫瘍グループ

 私達は血液の病気をみています。血液の癌(白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫など)、貧血、出血性の病気(血小板減少症や凝固異常症など)を診ています。血液の癌以外にも他の診療科や病院の求めに応じ共同で移植を行ったり、化学療法(抗がん剤治療)の副作用対策を行い,積極的に診療に関わっています。また,沖縄県唯一の大学病院としての使命を果たすために次のことを行っています。

1.最新の移植医療を積極的に推進しています。

 現在、世界で行われている各種造血幹細胞移植はすべて当科でも施行可能です。同種骨髄移植、非血縁者間同種骨髄移植、同種末梢血幹細胞移植、骨髄非破壊的前処置を用いた同種末梢血幹細胞移植(ミニ移植)、同種純化CD34陽性細胞移植、臍帯血移植、自家末梢血幹細胞移植。さらに血液の癌だけでなく、実績のある小児固形腫瘍や睾丸腫瘍に加え、今後は乳癌、腎癌、悪性黒色種、肺癌、卵巣癌、大腸癌などに対するミニ移植を行う予定です(本年9月当院医の倫理委員会承認済)。

2.移植以外の最新の治療法を提供しています。

 厚生労働省研究班の班員(増田講師)及び研究協力施設として、悪性リンパ腫、成人T細胞白血病、非血縁者間同種骨髄移植などに対する新しい治療を行っています。

             (第二内科 与儀洋之)

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