“輸血”という言葉には、マスコミなどでしばしば報道されていますように“医療事故=輸血ミス”をイメージされる方が多いと思います。しかし“輸血”は患者様が病気になり、御自身の血液の成分やその機能が低下したような場合や手術や事故などによって大量に出血されたような場合に、患者様の状態をよりよく改善し、十分な治療が受けられるようにするためにたいへん重要な医療行為です。
琉球大学附属病院の輸血部には2名の医師、3名の臨床検査技師、1名の看護婦さんがいます。毎日、輸血ミスが起こらないように、また安全な輸血用の血液を患者様に提供できるように専念しています。
近頃、輸血部の仕事として、“自己血輸血”が増えています。“自己血輸血”は、大きな手術が計画されている患者様からあらかじめ必要な量の血液を採取して病院で保存しておき、手術で輸血が必要になった時に保存しておいた御自身の血液を輸血する方法です。御自身の血液を再び身体に戻す訳ですから、医学的には最も安全な方法だといえます。
また輸血部では、これまで夜間や休日に、急ぎ輸血が必要となった場合には、電話で臨床検査技師を呼び出す体制でしたが、病院に到着するまでにどうしても時間がかかりました。どんな場合でも、直ちに輸血ができるように、今年の4月からは専門的な教育を受けた臨床検査技師が夜間、休日も含め、24時間待機するようにしました。これによって“より安全な輸血”がいつでも患者様に提供できるようになりました。また白血病などの患者様には、骨髄移植に代わる治療方法として注目されています“臍帯血移植”も今年に入ってから本院で実施できるようになりました。この治療でも、輸血部が血液の保存や管理を担当しています。
10月からは、輸血部に新しいコンピュータ・システムが動き始めます。患者様の血液型の登録や輸血される血液の登録など、“より安全な輸血“を管理できるコンピュータ・システムです。
今後ともなお一層、“安全な輸血”ができるように努力していきたいと職員一同、思いを新たにしているところです。
(輸血部)