平成13年3月30日

     University Hospital University of the Ryukyus          

琉大病院 HOTLINE 第13号

琉球大学医学部附属病院の患者様・職員のための情報誌

 

中高年女性の健康管理

 ご承知のように、近年、わが国では少産少子化がすすむ一方で、世界一の長寿国であることから、中高年人口が絶対的にも相対的にも増加してきています。私は産科婦人科医でありますので、中高年女性の健康管理について少し触れてみたいと思います。

 女性の閉経年齢は平均50歳であり、古今東西、変わりがないとされています(なお、初経年齢は次第に早くなってきています)。女性の平均寿命が85歳をこえる時代となった今日、閉経後平均30年余りの人生が残されることになりました。ちなみに、昭和20年頃までは、平均寿命は50歳でありましたから、閉経とともに死を迎えていた訳で、女性として理想的な一生であったと言えるかも知れません。すなわち、卵巣から女性ホルモンが分泌されなくなり、成熟期女性としての輝きが無くなると同時に死を迎えていたのであります。

 閉経を中心とした前後5年程度の期間を更年期といい、身体的にも精神的にもいろいろな変化、訴えが生じますが、この時期を経過すれば、老年期となり、また落ち着いた状態になります。しかし、女性の場合、卵巣からの女性ホルモン分泌がなくなりますと、高コレステロール血症、糖代謝異常、骨代謝異常、脳の退行など全身性の老化が急速にすすみます。したがって、閉経後の生活の質QOLを望ましい状態に保つためには、女性ホルモンの投与が必要になることもあります。

 人生50年の昔から人生85年の時代になりました。女性の場合、閉経前後、そして閉経後30年余りの長い期間の健康管理は、いわゆる中高年女性のための医療として大きな医療分野となり、さらに拡大されつつあります。女性は、いつまでも美しく輝いてほしいと思います               

 

(病院長 金澤浩二)  

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平成12年度沖縄県医科学研究財団研究助成を受賞して

平成13年3月3日(土)、医科学財団15周年祝賀会および平成12年度受賞者の表彰記念パーティーが開催され、功労賞2名、研究奨励賞3名、研究助成5名及び特別若手研究者助成1名の先生方が受賞されました。受賞者代表挨拶では、研究奨励賞を受賞された保健学科学校保健学高倉実助教授が感謝の言葉と今後の抱負を述べました。今回、私も名誉ある研究助成を賜り、専務理事の大澤 炯先生、事務局の石嶺広美様ならびに看護の研究に御理解及び配慮頂きました保健学科保健社会学 崎原盛造教授、伊是名初子先生に深く感謝申し上げます。今後、『看護行為からみた手指の経時的汚染状況と効果的な手洗いに関する研究』に関して当教室の大湾知子先生はじめ諸先生方の御指導のもと沖縄県の保健医療および看護の発展に貢献できるよう自己研鑽して参りたいと思っております。皆様方の変わらぬ御指導、御鞭撻のほどよろしくお願いいたします。また、医科学財団のますますの御発展と皆様方の御健康をお祈り申し上げます。

   (保健学科基礎看護学助手 高良武博) 

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