高度先進医療の承認
高度先進医療は、新しい医療技術やニーズの多様化に対応して実施される医療技術について、厚生省がその技術の高度先進性、有効性、安全性、社会的妥当性等を総合的に判断し、特定機能病院等の質的・量
的に高水準の医療基盤を有する医療機関において実施する場合に、これを高度先進医療として承認する制度です。
我々の病院は、地域医療の中核的機関としてこれまで高度な医療を提供してまいりましたが、さらに沖縄県唯一の特定機能病院として高度先進医療の推進に対する県民の期待に応え、研究成果
を先端医療に応用して難治疾患の原因解明、新しい診断及び治療方法の開発を進めるため、病院改革の目標に高度先進医療の開発と提供の推進を掲げています。その行動計画に基づき、昨年11月に3件の高度先進医療承認申請をいたしましたが、そのうち手術部及び第2外科が実施する「内視鏡的マイクロ波凝固法」と「肺気腫に対する胸腔鏡下外科治療」の2件が5月1日付で承認されました。
内視鏡的マイクロ波凝固法は、気管、気管支内腫瘍性病変による気道狭窄又は閉塞に対し、マイクロ波を集束照射することによって発生する誘電熱エネルギーを、局所的に高度に利用して止血、凝固、部分切除等を行う方法で、従来行われてきたNd−YAGレーザーに比べ腫瘍等の縮小効果
が大きく、気道を拡張させる効果に優れています。
また、肺気腫に対する胸腔鏡下外科治療は、内科治療を行っているにもかかわらず強い呼吸困難があり、日常生活に支障をきたしている肺気腫患者さんに対し、胸腔鏡下に肺の切除を行うもので、胸骨切開による肺容量
減少手術に比べ手術創による呼吸筋、骨性胸郭の破壊が少なく、自覚症状の改善と肺機能等の他覚的所見の改善が得られる有効な方法です。
今回、新たに2件が承認されたことにより、本院の高度先進医療は平成10年2月に承認され実績を挙げている「インプラント義歯」と合わせて3件となりましたので紹介させていただきます。
(医事課)
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