令和7年度 琉球大学 病院情報の公表

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
  4. 転倒・転落発生率
  5. 転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率
  6. 手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率
  7. d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率
  8. 65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合
  9. 身体的拘束の実施率
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 828 588 497 934 1267 2140 2684 3394 1340 197
令和7年6月1日から令和8年5月31日に当院を退院された患者さんを10歳刻みの年齢階級別に集計したものです。
【解説】
 当院は沖縄県唯一の特定機能病院として、高度で専門的な医療を幅広い年齢層の患者さんに提供しています。
 70歳代の患者数が最も多く、また、60歳代以上が全体の50%を占めています。平均年齢は56歳です。
 10歳未満 地域の周産期医療を担う当院では、低出生体重児などの新生児疾患を多く診療しています。また、ムコ多糖症などの代謝異常症や白血病、手足先天性疾など、長期的な治療を要する疾患にも対応しています。
 10歳代 ムコ多糖症など小児期から継続して治療を行う疾患に加え、脊椎変形や中耳炎、精神・行動障害、脳疾患、慢性腎不全などを多く診療しています。
 当院は地域周産期母子医療センターとして、他施設からハイリスク妊娠の紹介が多く、また妊産婦の救急を24時間体制で受け入れており、20歳代、30歳代は妊娠・出産関連疾患を多く診療しています。
 20歳代 網膜剥離、胃癌なども多く診療しています。
 30歳代 子宮頚がん及び子宮体がんが多くを占めるほか、骨悪性腫瘍、男性生殖器疾患など、高度専門医療を必要とする疾を診療しています。
 40歳代 子宮体がんや子宮頸がんに加え、網膜剥離や頭頸部がんの診療が多くなっています。
 50歳代 婦人科系がんをはじめ、白内障、網膜剥離、緑内障などの眼科疾患、頭頚部がん、肺がん、消化器系のがんを多く診療しています。
 60歳代 婦人科系がんが引き続き多くみられ、白内障や前立腺がん、消化器系のがんなどに対する診療を行っています。
 70歳代 眼系疾患や消化器系疾患、前立腺がん、狭心症や不整脈などの循環器疾患を多く診療しています。
 80歳以上 大動脈弁狭窄症が最も多く、続いて白内障などの眼系疾患の診療が多くなっています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
感染症・呼吸器・消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060340XX03X00X 胆管(肝内外)結石、胆管炎 手術限局性腹腔膿瘍手術等 処置2なし 副傷病なし 38 6.90 8.76 0.05 64.31
040040XX9910XX 肺の悪性腫瘍 手術なし 処置1あり 処置2なし 35 5.34 2.99 0.00 70.31
040110XXXX10XX 間質性肺炎 手術 処置1あり 処置2なし 23 7.86 10.12 0.00 65.76
060050XX03XXXX 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 手術血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等) 選択的動脈化学塞栓術 14 5.71 10.31 0.00 70.93
060100XX01XXXX 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 手術内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 13 7.92 2.56 0.00 72.0
 患者数で2番目に多い疾患が肺がんなどの肺悪性腫瘍です。近年、肺がん領域では新しい薬剤の開発が進んでおり、患者さんの予後も改善してきています。肺がんの入院では、抗がん剤・免疫チェックポイント阻害剤・分標的標的剤などの薬物治療を主に行っています。悪性腫瘍の薬物治療は外来で行われることも多いですが、当科では、初回薬物治療、点滴時間が長い治療内容や、副作用のリスクが高い方などに対して入院で治療を行っています。また、根治的胸部照射や緩和照射などの放射線治療、経過中に生じた胸水貯留・疼痛・呼吸困難などに対する緩和治療目的での入院加療を行っております。高齢や基礎疾患の多い方も多く、副作用出現や全身状態悪化に注意し慎重に診療しています。
内分泌・血液・膠原病リウマチ内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
10007XXXXXX1XX 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術 処置21あり(インスリン製剤(注射薬に限る)) 29 17.83 13.56 0.03 60.38
100180XX99000X 副腎皮質機能亢進症、非機能性副腎皮質腫瘍 手術なし 処置1なし 処置2なし 副傷病なし 28 10.71 5.34 0.03 53.61
100120XX99XXXX 肥満症 手術なし 23 11.91 12.11 0.09 39.22
100202XXXXXX0X その他の副腎皮質機能低下症 手術 副傷病なし 21 9.74 8.92 0.00 42.48
100180XX991XXX 副腎皮質機能亢進症、非機能性副腎皮質腫瘍 手術なし 処置1あり 処置2 13 3.00 3.84 0.00 55.75
 内分泌代謝・糖尿病グループは、多様な内分泌疾患、糖尿病、肥満症の診療を行っています。内分泌疾患についてはホルモンの過剰あるいは欠乏により様々な症候を呈しますが、関連科(下垂体:脳神経外科、甲状腺:耳鼻咽喉科、副腎:腎泌尿器科など)と連携して個別最適化された治療を実施しています。糖尿病についても入院下で専門的な検査を実施し最新の医学的知見に基づく精密な治療計画を立案しています。肥満症に対しても近年の治療ニーズの拡大に応え多診療科・多職種の密な連携による薬物療法および手術療法を実施できる体制を整えています。
 血液グループは、すべての血液内科疾患に対応しています。特に当科は日本に12施設しかない造血幹細胞拠点施設に選ばれているほど、移植症例数が多く、スタッフの経験が豊富です。また、九州に4施設しかないCAR-T製剤3種類を運用している有数の施設です。その他、抗体薬物療法や二重特異抗体の使用経験も県内随一であり、その管理についても充分な経験を有しています。
循環器・腎臓・神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050070XX03X0XX 頻脈性不整脈 手術経皮的カテーテル心筋焼灼術 処置2なし 146 5.97 4.43 0.00 65.49
050080XX02010X 弁膜症(連合弁膜症を含む。) 手術経カテーテル弁置換術等 処置1なし、1あり 処置21あり 副傷病なし 52 16.53 14.23 0.10 83.47
050050XX9910XX 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 処置11あり 処置2なし 36 4.33 3.10 0.06 71.60
04026XXX99100X 肺高血圧性疾患 手術なし 処置1あり 処置2なし 副傷病なし 33 7.91 4.07 0.00 60.70
050050XX0200XX 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術経皮的冠動脈形成術等 処置1なし、1,2あり 処置2なし 32 4.61 4.12 0.03 72.03
 第三内科では、循環器、腎臓、脳神経領域の専門診療を行っています。循環器内科では、狭心症などの虚血性心疾患に対する心臓カテーテル検査・治療に加え、不整脈に対する心臓カテーテルアブレーション治療、大動脈弁狭窄症に対する経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)、僧帽弁閉鎖不全症に対する経皮的僧帽弁クリップ術、肺高血圧症に対する専門的な検査・治療などを積極的に行っています。
 令和7年度は、特に不整脈に対する心臓カテーテルアブレーション治療の入院が多く、頻脈性不整脈に対する治療が診断群分類別患者数で最も多くなっています。また、高齢者に多い大動脈弁狭窄症に対するTAVIも多く施行しており、患者さんの年齢や全身状態を考慮しながら、心臓血管外科をはじめとする多職種で治療方針を検討しています。さらに、肺高血圧症についても専門的な診療を行っており、右心カテーテル検査による正確な病態評価に基づき、薬物治療やカテーテル治療を含めた治療方針を検討しています。
 腎臓内科および神経内科においても、それぞれの専門性を生かし、幅広い疾患に対応しており、腎臓内科では腎生検による腎臓病の診断やIgA腎症に対するステロイドパルス療法が、神経内科では脳血管障害や自己免疫性脳炎の入院が多くなっています。
消化器・乳腺内分泌・小児外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160X101XXXX 鼠径ヘルニア(15歳未満) 手術ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 23 3.60 2.74 0.00 3.70
090010XX02XXXX 乳房の悪性腫瘍 手術乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 22 4.63 5.44 0.00 62.53
060160X001XXXX 鼠径ヘルニア(15歳以上) 手術ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 20 11.05 4.56 0.05 70.25
090010XX010XXX 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等1 なし 18 10.39 9.76 0.00 60.17
060050XX020XXX 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 肝切除術 部分切除等 手術・処置等1 なし 15 15.53 13.94 0.00 68.87
 当科では、お子さんから大人まで、鼠径(そけい)ヘルニアから、専門性の高い乳がんや肝臓・胆管の悪性腫瘍まで、幅広い疾患で豊富な診療実績を有しています。小児外科領域の安全な治療から、複数診療科と連携した高度ながん集約的治療まで、世代や病態に応じた最適な医療を提供しています。
心臓血管・呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050080XX0101XX 弁膜症(連合弁膜症を含む。) 手術ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)等 処置1なし 処置21あり 39 24.62 20.68 0.10 65.35
040040XX02X0XX 肺の悪性腫瘍 手術肺悪性腫瘍手術 肺葉切除又は1肺葉を超えるもの等 処置2なし 33 10.53 9.75 0.00 65.75
050163XX03X1XX 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 手術ステントグラフト内挿術 処置21あり 32 10.14 14.77 0.06 79.68
050180XX02XXXX 静脈・リンパ管疾患 手術下肢静脈瘤手術等 20 2.72 2.57 0.00 63.28
050080XX02010X 弁膜症(連合弁膜症を含む。) 手術経カテーテル弁置換術等 処置1なし、1あり 処置21あり 副傷病なし 16 16.53 14.23 0.10 83.47
琉球大学胸部心臓血管外科(第二外科)では、患者さんの病気および体の状態を十分に検査した上で安全な低侵襲手術を積極的に行っています。弁膜症に対しては小切開心臓手術(MICS)および経カテーテル治療(切らない手術)、大動脈瘤に対してはステントグラフト治療、肺の病気に対しては胸腔鏡手術、動脈硬化による足の血管の病気に対してはカテーテル治療などです。安全に低侵襲手術を行うことにより手術後の回復が早く、早期の社会復帰も可能となります。また、弁膜症の手術においては人工弁を使用せず、ご自分の弁を修復することによる自己弁温存手術も積極的に行っています。この手術は、若い方には大変有用です。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010010XX03X10X 脳腫瘍 手術頭蓋内腫瘍摘出術等 処置21あり 副傷病なし 18 31.72 30.62 0.17 51.94
010040X099000X 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 処置1なし 処置2なし 副傷病なし 15 16.25 18.40 0.44 60.44
010030XX02X0XX 未破裂脳動脈瘤 手術脳血管内手術 処置2なし 14 7.31 8.56 0.00 65.62
010010XX02X8XX 脳腫瘍 手術頭蓋内腫瘍摘出術+術中血管等描出撮影加算等 処置28あり(テモゾロミド内服等) 11 113.0 67.66 0.09 66.45
010030XX991XXX 未破裂脳動脈瘤 手術なし 処置1あり 10 4.22 2.80 0.00 57.33
 脳腫瘍、脳卒中、頭部外傷、水頭症、小児に起こる脳疾患、また、薬剤の有効性が乏しくなった機能的疾患(てんかん、片側顔面けいれん、三叉神経痛など)に対する手術治療を行っています。
 特に脳腫瘍は、悪性(初期治療で手術、放射線療法、化学療法を要する腫瘍)から良性(原則摘出術で初期治療を行う腫瘍)まで幅広く治療を行っています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070010XX970XXX 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) 手術あり 手術・処置等1 なし 110 3.97 4.67 0.01 45.09
070180XX97XXXX 脊椎変形 手術あり 63 22.51 21.08 0.21 36.97
07040XXX01XXXX 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 53 21.28 18.55 0.22 62.57
070230XX01XXXX 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 34 23.62 21.21 0.47 73.26
140490XX970XXX 手足先天性疾患 手術あり 手術・処置等1 なし 27 4.95 7.40 0.00 8.53
 整形外科の特色として沖縄県内の大多数の骨・軟部腫瘍の診療を行っているため、全県の医療機関から紹介があり、県内唯一である悪性骨・軟部腫瘍の手術・化学療法など集学的治療を行っています。また良性腫瘍でも神経原性腫瘍や手部・足部などに発生した腫瘍においては手外科・末梢神経外科班が担当して手術を行っています。
 思春期特発性側弯症や成人脊柱変形、さらに脳性麻痺など基礎疾患を伴う症候性側弯症など、高度な技術を要する脊柱変形手術は県内の他の医療機関ではほとんど行われておらず、特に症候性側弯症に関しては九州地区でも限られた施設でしか施行されていません。多くの患者さんの紹介を受けており、手術件数も増えています。
 関節手術の分野では大腿骨頭壊死や変形性関節症に対する人工股関節置換術は例年一定の症例数を行っています。さらに感染例や脱臼例、人工関節周囲骨折など難治例の治療も行っています。
 運動器に関する多岐にわたる症例に対し、高度な医療を提供できることが整形外科の特徴です。
産科婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
12002XXX01X0XX 子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術子宮悪性腫瘍手術等 処置2なし 119 9.41 9.63 0.00 54.86
120180XX01XXXX 胎児及び胎児付属物の異常 手術子宮全摘術等 81 9.67 9.32 0.00 33.60
12002XXX02XXXX 子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術子宮頸部(腟部)切除術等 48 3.10 2.90 0.00 41.72
120260X001XXXX 分娩の異常(分娩時出血量2000ml未満) 手術子宮破裂手術等 37 8.97 9.29 0.00 32.50
12002XXX99X40X 子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術なし 処置24あり 副傷病なし(化学療法ありかつ放射線療法なし) 35 3.07 3.99 0.00 56.22
 1番目は、子宮頸部・体部の悪性腫瘍に対し、手術による摘出を行う患者様です。早期の子宮頸部・体部の悪性腫瘍の患者様には、腹腔鏡あるいはロボットによる低侵襲手術が対象になります。低侵襲手術では、術後経過が良好であれば術後5日目頃に退院となります。
 2番目は、胎児および胎盤や臍帯などの胎児付属物の異常のため、帝王切開術により分娩される患者様です。癒着胎盤などのため、帝王切開術に引き続き子宮全摘出術が施行される場合もあります。
 3番目は子宮頸部や子宮体部の悪性腫瘍に対し、子宮頸部(腟部)の切除術などの手術や治療を行う患者様です。
 4番目は分娩時に何らかの異常があり、出血量が2000ml未満、かつ子宮破裂手術や関連する手術・処置を行った患者様です。
 5番目は、子宮頸部・体部の悪性腫瘍に対し、化学療法を受ける患者様です。手術が不可能な進行癌や再発癌の場合や、手術後に再発リスクが高いと判断される場合に化学療法を行います。化学療法は多くの場合、1または2日間で行われ、治療間隔は3または4週毎です。分子標的薬の登場により維持療法の適応となる患者様が増えています。
 当院は沖縄県内のほとんどの婦人科悪性腫瘍患者様の診療を行っております。2025年に治療を行った症例数は、子宮頸癌(CIN3を含む)142例、子宮体癌101例、子宮付属器悪性腫瘍(境界悪性を含む)30例、外陰癌3例、腟癌3例でした。沖縄県では肥満を背景とした子宮体癌の増加が目立っています。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010X199X0XX 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(2500g以上) 手術なし 処置2なし 190 8.00 6.18 0.00 0.00
140010X299X0XX 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(1500g以上2500g未満) 手術なし 処置2なし 42 10.54 11.97 0.00 0.00
140010X199X1XX 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(2500g以上) 手術なし 処置21あり 19 10.00 10.46 0.00 0.00
010230XX99X00X てんかん 手術なし 処置2なし 副傷病なし 14 4.34 6.63 0.03 30.28
040090XXXXXXXX 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 14 7.09 6.20 0.09 29.04
 小児科及び周産母子センターでは、低出生体重児をはじめ、出生後に呼吸・循環管理などを必要とする新生児を産科と連携して受け入れ、母体管理から出生後の新生児診療まで一貫した周産期医療を提供しています。
 また、てんかんをはじめとする小児神経疾患や呼吸器感染症など、一般小児診療から専門性の高い疾患まで幅広く診療しています。小児腎疾患に対する腎生検、代謝・神経疾患に対する酵素補充療法、膠原病・自己炎症性疾患に対する生物学的製剤の導入、希少疾患・難病の診断・治療などにも取り組んでいます。
特に、拡大新生児マススクリーニングの対象疾患である脊髄性筋萎縮症(SMA)に対しては遺伝子治療を、重症複合型免疫不全症(SCID)に対しては造血細胞移植を速やかに提供できる診療体制を整えています。早期診断から専門的治療へ迅速につなげることで、治療効果の向上を目指しています。
 小児血液・腫瘍領域では、白血病をはじめとする血液腫瘍に加え、脳神経外科、放射線科などの関連診療科と連携して脳腫瘍に対する手術、化学療法、放射線治療を組み合わせた集学的治療を行っています。また、難治性血液腫瘍、骨髄不全症、原発性免疫不全症などに対して造血細胞移植を提供しています。小児に対する造血細胞移植を実施できる施設は沖縄県内では当院のみであり、移植適応の判断から移植、移植後の長期フォローアップまで一貫した診療を行っています。
このように、新生児から思春期・若年成人まで、一般小児診療から高度専門医療まで幅広く対応し、関連診療科および多職種と連携した診療に取り組んでいます。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080006XX01X0XX 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 手術皮膚悪性腫瘍切除術等 処置2なし 48 5.23 6.76 0.02 77.89
080006XX97X0XX 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) その他の手術あり 手術・処置等2 なし 27 7.43 9.11 0.00 75.70
080190XXXXXXXX 脱毛症 18 3.00 3.28 0.00 38.38
080010XXXX0XXX 膿皮症 手術・処置等1 なし 12 14.00 13.00 0.03 54.32
080007XX010XXX 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術・処置等1 なし 10 3.78 3.76 0.00 45.33
 沖縄県の重症皮膚疾患の患者動向を反映した傾向となっています。沖縄県では頭部血管肉腫とカボジ肉腫が県外や海外の数倍から数十倍の頻度で発症します。これらの血管腫瘍に対し、手術・放射線・化学療法の集学的治療で対応しています。されに、皮膚悪性腫瘍(基底細胞癌、有棘細胞癌、悪性黒色腫、乳房外パジェット病など)に対する拠点病院であり、これらの皮膚悪性腫瘍が最も多い入院患者数となっています。これらの皮膚悪性腫瘍患者に対して広範囲切除と植皮術、放射線、化学療法、最近の免疫チェックポイント阻害薬による抗腫瘍免疫療法も数多く行っています。上記の皮膚悪性腫瘍は高齢者に多いのに対し、これも沖縄県で多い化膿性汗腺炎・毛巣洞、慢性膿皮症は若年巣にも多く、良性疾患ながら植皮再建術を必要とする広範囲の手術療法と生物学的製による治療を行っています。自己免疫脱毛症(広範囲円形脱毛症)や突発性後天性全身性無汗症に対するステロイドパルス療法やガンマグロブリン製剤の大量投与等の入院治療も多く行っています。
腎泌尿器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080XX01XXXX 前立腺の悪性腫瘍 手術前立腺悪性腫瘍手術等 76 9.83 10.98 0.00 67.28
110080XX991XXX 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 あり 60 3.17 2.45 0.00 71.51
11001XXX01X0XX 腎腫瘍 手術腎(尿管)悪性腫瘍手術等 処置2なし 45 8.79 10.12 0.00 62.38
120090XX97XXXX 生殖器脱出症 手術あり 38 8.22 7.74 0.00 71.11
11022XXX01XXXX 男性生殖器疾患 手術精索捻転手術等 30 3.16 3.54 0.00 36.68
 腎泌尿器外科は外科系診療科であるため手術目的の入院が多く、入院患者症例数も手術患者数と同様の傾向を示しています。当科で行っている手術は多岐にわたり、泌尿器癌全般に対する腹腔鏡下・ロボット支援下手術、腎移植、骨盤臓器脱に対するロボット支援下手術、精索静脈瘤に対する顕微鏡下手術などを幅広く行っています。一方で、泌尿器癌に対する薬物療法も行うため薬物療法目的の入院も多くなっています。例えば、尿路上皮癌(膀胱癌、上部尿路癌)に対する薬物療法はここ数年で新しい薬剤が登場し劇的に変化していますが、当科では最新の治療法を導入し治療にあたっています。腎癌や前立腺癌に対しても同様で、新規薬物療法をいち早く導入し、さらには手術や放射線療法といった局所治療も含めて複合的な治療を推進しています。これらの薬物療法、特に新しい薬物療法においては有害事象のマネージメントが非常に重要であり、当院ではこれらの内科的治療を全ての有害事象の可能性を考慮しながら、全診療科の十分な経験のある医師による科横断的な連携をもとに行なっており、癌治療をより安全にうけることができます。
耳鼻咽喉・頭頸部外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030440XX01XXXX 慢性化膿性中耳炎・中耳真珠腫 手術鼓室形成手術等 135 5.20 5.96 0.00 40.25
030350XXXXXXXX 慢性副鼻腔炎 手術 72 5.34 5.74 0.00 51.93
030150XX97XXXX 耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍 手術あり 54 7.70 6.63 0.00 59.55
03001XXX01XXXX 頭頸部悪性腫瘍 手術鏡視下咽頭悪性腫瘍手術(軟口蓋悪性腫瘍手術を含む。)等 31 13.55 12.15 0.00 65.55
03001XXX97X0XX 頭頸部悪性腫瘍 手術その他の手術あり 処置2なし 29 13.87 10.82 0.19 68.77
 県内の中核病院として、離島を含めすべての地域から難治性の耳鼻咽喉科・頭頸部外科全般の患者さんを受け入れています。特に、耳手術、鼻副鼻腔手術、頭頸部外科手術が多くなっています。指標の中で慢性中耳炎や中耳真珠腫の手術治療が最も多くなっていますが、手術の難易度が高いためです。患者さんの平均年齢は40才ですが、小児期の患者様と中高年の患者様が主となっています。
 慢性副鼻腔炎では喘息を合併した重症副鼻腔炎手術・外鼻変形を伴った例では外鼻形成、舌がん、唾液腺、甲状腺癌などの頭頸部外科手術も同様に多くなっています。頭頸部外科手術は、歯科口腔外科、形成外科と共同して実施しています。低侵襲手術として、内視鏡やロボット支援下手術も実施しています。
 突発性難聴は、重症新鮮例のみ高気圧酸素治療とステロイド治療、血管拡張療法を組み合わせて入院治療を行っています。顔面神経麻痺・めまい疾患は入院することは少ないですが、重症の場合は、手術や安静を必要とすることがあり、短期間の入院加療を行っています。
 これ以外にも扁桃・アデノイド手術は、IgA腎症を中心とした扁桃病巣疾患の患者さんを対象とし、腎臓内科との共同し実施しています。嗄声や嚥下障害は、音声・嚥下リハビリテーションから外来での簡易手術、入院しての手術まで行っています。入院期間は、患者様の要望もありできる限り短期間で退院できるように、術式・治療法を工夫し、年々入院期間が短くなってきています。2025年1月には、新病院へ移転し、手術枠が増加したため、さらに多くの患者様を受け入れることができるようになっています。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110XX97XXX0 白内障、水晶体の疾患 手術あり 片眼 477 2.66 2.47 0.00 62.30
020160XX97XXX0 網膜剥離 手術あり 片眼 204 3.74 7.35 0.00 53.28
020220XX97XXX0 緑内障 その他の手術あり 片眼 178 3.23 4.39 0.01 66.27
020240XX97XXX0 硝子体疾患 手術あり 片眼 153 3.54 4.73 0.02 65.71
020110XX97XXX1 白内障、水晶体の疾患 手術あり 両眼 115 3.85 4.24 0.02 67.70
 当院は、沖縄県で唯一の大学病院として、重症眼疾患を中心に高度な診療を行っています。当科の大きな特徴は、古泉英貴教授の専門領域である黄斑疾患や網膜硝子体疾患に対する診断と治療です。特に、欧米で失明原因の第一位であり、日本でも高齢化に伴い患者数が急増している加齢黄斑変性については、長年にわたり診療と研究を積み重ね、病態に応じた最適な治療を提供しています。また、網膜剥離や増殖糖尿病網膜症など、緊急性が高く難易度の高い手術にも積極的に取り組んでいます。
 白内障手術は一般的にクリニックでも実施されていますが、当院では特に緑内障治療を併用する症例、全身疾患を有する患者様の手術、チン小帯脆弱などの困難症例を中心に対応しています。さらに、沖縄県内で多く見られる閉塞隅角緑内障をはじめ、幅広いタイプの緑内障に対して専門的治療を行っています。
加えて、当院では最新の医療機器を備え、高度な外科的技術に基づく手術を実施しており、その結果、入院期間は全国平均と比較しても短縮されています。
放射線科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
100020XX99X2XX 甲状腺の悪性腫瘍 手術なし 処置22あり(I131内用療法) 15 3.40 5.76 0.00 56.20
14031XX09900XX 先天性心疾患(動脈管開存症、心房中隔欠損症を除く。)(1歳以上) 手術なし 処置1なし 処置2なし 12 2.73 5.48 0.00 27.55
03001XXX99X2XX 頭頸部悪性腫瘍 手術なし 処置22あり(化学療法なしかつ放射線療法あり) 11 38.57 25.97 0.13 76.87
070040XX99X0XX 骨の悪性腫瘍(脊椎を除く。) 手術なし 処置2なし - - 8.87 - -
14031XX004X0XX 先天性心疾患(動脈管開存症、心房中隔欠損症を除く。)(1歳以上) 手術経皮的肺動脈形成術等 処置2なし - - 6.01 - -
 当院は県内の基幹病院として、また数少ない入院可能な放射線科病院として、全県域から患者さんを受入れています。甲状腺癌に対する治療法のひとつとして、放射性ヨード内用療法があります。一部の放射性ヨード内用療法は特殊な放射線治療病室に入院していただく必要があります。当施設は入院放射性ヨード内用療法にも対応している、県内唯一の施設です。
 血管奇形のうち最も高頻度に見られる静脈奇形は、四肢や体表に生じた場合、痛みを伴うことがあるため治療の対象となります。当科における治療は硬化療法が主体となります。超音波下に病変を穿刺し、薬剤(主にポリドカスクレロールやオルダミンなど)を病変内に直接注入する方法で、病変を縮小させ症状の軽減を図ります。
 当院では手術ができない頭頚部癌(咽頭癌、喉頭癌、上顎洞癌など)に対する動注化学療法や放射線治療を行っています。動注と放射線治療を組み合わせた治療を行っているのは県内でも当院のみであり、良好な治療成績が得られています。
 当院は根治を目的とした治療だけでなく、骨などに転移したがんに対する症状緩和目的の放射線治療も積極的に行っています。保険で対応可能な骨転移や少数個への定位放射線治療(いわゆるピンポイント照射)も対応しており、最新の腫瘍追尾システムを導入するなど、意欲的に取り組んでいます。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020230XX97X0XX 眼瞼下垂 手術あり 処置2なし 18 2.56 2.68 0.00 58.44
140140XXXXXX0X 口蓋・口唇先天性疾患 手術 副傷病なし 17 5.50 8.15 0.00 4.17
070520XX97XXXX リンパ節、リンパ管の疾患 手術あり 16 2.62 7.70 0.00 62.56
030390XX970XXX 顔面神経障害 手術あり 処置1なし 処置2 11 6.95 9.57 0.00 55.41
070570XX972XXX 瘢痕拘縮 手術その他の手術あり 処置12あり 処置2(遊離皮弁術等) - - 6.56 - -
 当科では目のまわりの病気や、漏斗胸手術、目立つ傷の修正、口蓋裂手術に力を入れています。
 又、頭頚部癌や乳癌切除後の遊離複合組織移植術(マイクロサージャリー手術)も積極的に実施しています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 - - 10 37 18 17 1 8
大腸癌 17 - 25 42 35 22 1 8
乳癌 11 14 - - 44 - 1 8
肺癌 26 15 14 85 89 34 1 8
肝癌 - 12 17 - 43 25 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
 胃がん  進行例であるStageⅣの割合が多いです。進行例に対しては薬物療法を行っています。
 大腸がん StageⅢ、Ⅳの割合が多いです。切除後に再発予防のため補助化学療法を行っています。StageⅣの進行例に対しては薬物療法を積極的に導入しています。転移した部位が切除可能なときは手術も行います。
 乳がん  各Stageは概ね同様の割合になっています。進行度に合わせて、手術や放射線療法といった局所治療と、内分泌療法、薬物療法などの組み合わせで治療を行っています。
 肺がん  進行例であるⅣの割合が多く、薬物療法を中心に治療を行っています。早期例に対しては、胸腔鏡を使った低侵襲な手術も行っています。
 肝がん  進行度に合わせて、外科的手術、ラジオ波焼灼療法、肝動脈化学塞栓療法等を行っています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 17 9.12 41.12
中等症 53 15.47 71.13
重症 - - -
超重症 - - -
不明 - - -
 市中肺炎とは、社会生活を送る人が罹る肺炎です。重症度は、日本呼吸器学会「成人肺炎診療ガイドライン2024」のA-DROP分類(軽症・中等症・重症・超重症)に基づいて判定しています。
 令和7年度に当科へ入院された79名のうち、中等症以上が62名と約8割を占めました。平均年齢80.4歳の重症の方、85歳の超重症の方も含まれており、重症な肺炎の患者さんを積極的に受け入れしています。
 重症の患者さんの平均在院日数は15.0日で、中等症(15.5日)とほぼ同じでした。ご高齢で重症の患者さんについても、入院が長期化することなく治療を進められています。また、重症度が「不明」の症例は0件であり、すべての患者さんについて入院時に重症度を評価したうえで治療方針を決めています。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 57 22.25 67.98 0.30
その他 14 18.57 65.57 0.29
 脳血管障害のなかでは、第三内科の神経グループは脳の血管が閉塞して起こる脳梗塞の診療に主に関わっています。年間40例前後の入院でしたが、新病院移転後(令和7年)は患者数も年々増加しています。当院は、発症から3日以内の脳梗塞急性期症例を多く受け入れており、脳卒中専門医による適切な急性期の治療を行っています。脳神経内科と脳神経外科で連携をとりながら 、脳梗塞超急性期の経静脈的血栓溶解療法も積極的に行っています。経静脈的血栓溶解療法に加え、先進的な脳梗塞超急性期の治療のひとつである血栓回収療法も行っています。急性期の治療に加え、脳梗塞発症の原因を超音波検査やMRI検査などで調べ、再発予防のための方針を立てています。また、ひとたび脳梗塞を起こすと、麻痺など後遺症を残す例が70%におよぶため、発症早期からリハビリテーション科と連携を取り積極的にリハビリテーション介入を行っています。急性期脳梗塞治療を行ったあともリハビリテーション継続が必要となる場合は、速やかに回復期リハビリテーション病院へ転院できるよう、地域連携室と協力しながら治療を進めています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
感染症・呼吸器・消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 72 1.90 4.96 0.06 66.68
K708-3 内視鏡的膵管ステント留置術 36 1.64 3.92 0.03 54.86
K686 内視鏡的胆道拡張術 33 0.88 3.30 0.00 56.45
K6152 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(選択的動脈化学塞栓術) 30 1743 3.90 0.00 68.50
K722 小腸結腸内視鏡的止血術 29 4.76 8.72 0.03 70.10
 第一内科では呼吸器系、消化器系の悪性疾患の患者さんを多く診療しています。近年は内視鏡を使用した胆道系、膵管へのステント留置術が増加しており、それらが根治的な手術に繋がったり、薬物療法を実施しながら日常生活を送れる患者さんが増加しています。また胆・膵臓疾患のみではなく、肝悪性腫瘍に対する血管塞栓術や薬物療法、呼吸器悪性腫瘍に対する薬物治療や内視鏡治療や、消化器悪性腫瘍に関する多岐にわたる処置も積極的に行っています。悪性腫瘍以外にも、慢性疾患である肝臓病や慢性呼吸器疾患における併存疾患に対する処置もおこなっています。例えば難治性腹水を有する肝硬変患者に対して腹水濾過濃縮再静注法を行い患者さんの病状を和らげ、適応のある患者さんには肝臓移植に繋げるなど、当院の外科と密な連携のもとで診療を行っております。また消化管出血の中で診断や治療法が難しい小腸出血に対する処置も沖縄県内から多く紹介を受け、高い内視鏡治療技術を用いた診療や放射線治療、外科的治療などを診療科横断的に連携し、適切な治療を患者さんに届けるよう務めています。
循環器・腎臓・神経内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺又は心外膜アプローチを伴うもの) 148 2.43 5.26 0.01 68.48
K555-22 経カテーテル弁置換術(経皮的大動脈弁置換術) 76 5.20 10.62 0.13 84.07
K570-3 経皮的肺動脈形成術 44 1.77 2.09 0.00 62.05
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他のもの) 37 3.70 3.59 0.00 71.81
K5952 経皮的カテーテル心筋焼灼術(その他のもの) 30 1.20 2.43 0.00 59.80
 循環器内科では、さまざまな心血管疾患に対するカテーテル治療を積極的に行っています。
 不整脈に対する経皮的カテーテル心筋焼灼術(心臓カテーテルアブレーション)は、心房細動などの不整脈に対して、足の付け根などの血管からカテーテルを心臓まで挿入して行う治療です。令和7年度はアブレーション治療の件数が大きく増加しており、不整脈診療体制の充実とともに、より多くの患者さんに専門的な治療を提供しています。
 また、大動脈弁狭窄症に対する経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)にも積極的に取り組んでいます。TAVIは主に足の付け根や首の血管からカテーテルを挿入し、人工弁を留置する治療法で、開胸手術と比較して身体への負担が少ないことが特徴です。当院ではこれまでに700例を超えるTAVIを施行しており、全国の大学病院の中でも屈指の治療実績を有しています。循環器内科と心臓血管外科を中心としたハートチームで一人ひとりの患者さんに適した治療方針を検討し、安全で質の高い治療の提供に努めています。
 さらに、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患に対する経皮的冠動脈ステント留置術や、慢性血栓塞栓性肺高血圧症に対する経皮的肺動脈形成術(BPA)にも取り組んでいます。BPAは、肺動脈の狭窄・閉塞部をバルーンカテーテルで拡張する治療です。
 このように当科では、不整脈、弁膜症、虚血性心疾患、肺高血圧症など幅広い心血管疾患に対し、大学病院としての専門性を生かした高度なカテーテル治療を提供しています。
消化器・乳腺内分泌・小児外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6335 ヘルニア手術(鼠径ヘルニア) 32 1.16 2.69 0.00 44.56
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 30 1.20 5.40 0.03 60.47
K4762 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの)) 29 1.00 2.48 0.00 63.28
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 24 3.33 9.83 0.00 69.79
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 18 1.00 1.56 0.00 28.22
 当科では、鼠径ヘルニアや胆石症に対する傷口が小さく回復の早い「腹腔鏡手術」をはじめ、乳房を残す「乳がん温存手術」、お腹を切らずに行う「内視鏡的胆道治療」など、身体に優しい高度な手術を数多く手掛けています。患者さんの心身への負担を抑え、早期の社会復帰を支える安全で質の高い手術治療を行っています。
心臓血管・呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K555-22 経カテーテル弁置換術(経皮的大動脈弁置換術) 33 3.94 11.36 0.06 84.76
K5612ロ ステントグラフト内挿術(腹部大動脈) 27 4.26 6.89 0.00 81.00
K5551 弁置換術(1弁のもの) 26 9.58 30.58 0.04 64.23
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 25 2.48 8.64 0.12 76.52
K6145 血管移植術、バイパス移植術(下腿、足部動脈) 21 14.29 45.95 0.14 71.00
 琉球大学胸部心臓血管外科(第二外科)では、患者さんの病気および体の状態を十分に検査した上で安全な低侵襲手術を積極的に行っています。弁膜症に対しては小切開心臓手術(MICS)および経カテーテル治療(切らない手術)、大動脈瘤に対してはステントグラフト治療、肺の病気に対しては胸腔鏡手術、動脈硬化による足の血管の病気に対してはカテーテル治療などです。安全に低侵襲手術を行うことにより手術後の回復が早く、早期の社会復帰も可能となります。また、弁膜症の手術においては人工弁を使用せず、ご自分の弁を修復することによる自己弁温存手術も積極的に行っています。この手術は、若い方には大変有用です。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他のもの) 59 7.92 65.76 0.19 55.98
K171-21 内視鏡下経鼻的腫瘍摘出術(下垂体腫瘍) 16 3.69 12.69 0.00 50.38
K1783 脳血管内手術(脳血管内ステントを用いるもの) 13 1.77 3.46 0.00 59.54
K1781 脳血管内手術(1箇所) 12 2.75 9.67 0.17 66.92
K160-2 頭蓋内微小血管減圧術 - - - - -
 手術の安全性を第一に考え、顕微鏡を用いた従来の手術法に加え、血管内治療や神経内視鏡、術中ナビゲーション、神経生理学的モニタリング、蛍光イメージングなどの最新の医療技術を取り入れ、運用しています。
 また、1歩進んだ手術支援技術として術前シミュレーション(顕微鏡でみた手術の場面を、手術の前に3次元的に画像化する技術)や術中MRI(手術の途中全身麻酔がかかった状態でMRIを撮影し、手術の進行状況を画像化する技術)を導入し、最良の手術結果を出すよう努めています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術(股、膝、肩) 113 2.10 18.89 0.31 66.87
K1422 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。)(後方又は後側方固定) 74 6.11 32.28 0.54 70.38
K0301 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術(躯幹、大腿、上腕、前腕、肩、下腿) 67 1.01 2.55 0.03 53.04
K0302 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術(手、足) 53 0.34 0.94 0.00 47.34
K142-21 脊椎側彎症手術(固定術) 37 1.05 12.38 0.00 16.51
 運動器疾患を取り扱う整形外科手術の対象は外傷、関節・脊椎疾患、骨・軟部腫瘍、先天性疾患など非常に多岐にわたります。
 当科における手術の特徴として脊椎側弯症手術(固定術)の手術件数は例年40件程度実施しております。さらに症候性側弯症など他の医療機関では行っていない難治例を麻酔科・小児科と協力して治療を行っています。また椎弓形成術、椎弓切除術など比較的一般的な脊椎変性疾患に対する手術も行っており、脊椎関連手術が最多になっています。骨・軟部腫瘍の手術では、周術期の化学療法や腫瘍切除後の再建まで含めた集学的な治療を行う県内唯一の診療チームがあり、県内全域から患者さんのご紹介をいただき、最良の医療を提供できるよう治療にあたっています。股関節・膝関節・肩関節など大関節の人工関節置換術も多く、特に感染などの難治例を多く手がていることが特徴の一つです。人工関節置換術は術後2週間程度での自宅退院を目指したリハビリテーションプログラムを作成して治療を行っています。表にはありませんが、先天性の上肢障害や脊椎関連腫瘍性疾患など非常に高難度な手術も比較的多く施行しており、県外からも相談を受けております。
産科婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) 102 4.00 5.46 0.00 33.55
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 84 6.01 4.90 0.00 34.38
K879 子宮悪性腫瘍手術 78 4.17 8.91 0.00 55.94
K861 子宮内膜掻爬術 75 0.08 0.92 0.00 41.64
K867 子宮頸部(腟部)切除術 57 1.11 1.07 0.00 44.58
 1番目の手術は、分娩の経過中に母体や胎児に異常を認めた場合、急いで分娩を行うための手術になります。当科で妊娠管理を行ってきた妊婦様の分娩時に行われる他、他の産科施設で緊急帝王切開術が必要と判断され母体搬送となる症例も受けています。
 2番目の手術は、何らかの理由(前回帝王切開分娩や胎児が骨盤位など)により、予め帝王切開分娩が計画される患者様が対象になります。
 3番目の手術は、子宮頸部と体部の悪性腫瘍に対する手術になります。子宮頸癌はほぼ横ばい、子宮体癌の患者様の増加が目立ちます。
 4番目の手術は、子宮体癌および(異型)子宮内膜増殖症などの患者様が対象になります。診断目的やホルモン療法(子宮温存)の治療効果判定に行われます。
 5番目の手術は、子宮頸癌の前癌病変である子宮頸部異形成、および初期子宮頸癌の患者様が対象になります。当科では、術中や術後の出血を少なくするためにレーザーメスを使用した手術を行っています。
皮膚科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) 99 1.25 3.58 0.01 76.94
K013-21 全層植皮術(25cm2未満) 24 0.83 5.79 0.00 74.04
K0132 分層植皮術(25cm2以上100cm2未満) - - - - -
K0051 皮膚,皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2㎝未満) - - - - -
K022-32 慢性膿皮症手術(複雑なもの) - - - - -
 琉球大学病院皮膚科では、県内の皮膚悪性腫瘍の大部分の患者さんの治療を行っています。特に進行例や重症例の有棘細胞癌、悪性黒色腫、血管肉腫、基底細胞癌、乳房外パジェット病の原発巣の広範囲切除と、これらの切除欠損部へ全層植皮による再建術、リンパ節郭清、化学療法や、抗腫瘍免疫療法の治療を多数実施しております。特に初期治療としての悪性腫瘍切除術や植皮術、皮膚皮下腫瘍摘出術の適応となる患者さんが多い傾向です。その他では、良性の炎症性皮膚疾患ながら国内では最も沖縄県で発症が多い、化膿性汗腺炎や毛巣洞患者に対する一般病院皮膚科での施術の難しい広範囲切除と再建植皮術を多数行っています。
腎泌尿器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用のもの) 83 1.58 6.00 0.02 68.42
K843-4 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いるもの) 80 1.49 7.01 0.00 68.02
K865-2 腹腔鏡下仙骨腟固定術 腹腔鏡下仙骨腟固定術(内視鏡手術用支援機器) 35 1.57 5.51 0.00 71.60
K773-51 腹腔鏡下腎悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いるもの)(原発病巣が7センチメートル以下のもの) 34 1.71 6.56 0.00 61.41
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザーによるもの) 28 1.50 3.43 0.00 58.07
 膀胱癌に対しては診断と治療を兼ねて経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)が行われ、筋層に浸潤していないことが判明した筋層非浸潤性膀胱癌に対しては、膀胱温存療法(TURBT ± BCG膀胱内注入療法)が適応されます。ただし、膀胱癌は再発率が高いことが知られており、少しでも再発率を低減させるため光力学診断(PDD)を用いたTURBTも行っています。TURBTにより筋層に浸潤が判明した筋層浸潤性膀胱癌に対する標準治療は、膀胱全摘除術+尿路変向術ですが、体に対する負担が大きい手術であり、最近では負担の軽いロボット支援下に膀胱全摘除術をおこなっております。当科では低侵襲手術を積極的に導入しており、以前より腹腔鏡下あるいはロボット支援下に、前立腺全摘除術、腎・副腎・尿管摘除術、腎盂形成術、骨盤臓器脱に対する仙骨膣固定術などを行ってまいりました。琉球大学病院は高難度症例にも対応しており、具体的には高難度の腎門部癌腎に対するロボット支援腎部分切除術、精巣癌リンパ節転移に対する腹腔鏡下後腹膜リンパ節摘除術、IMRTや重粒子線治療後の局所再発症例で高度に癒着した前立腺に対する救済ロボット支援前立腺全摘除術なども行なっています。また、顕微鏡下手術の設備も備えており、顕微鏡下精索静脈瘤手術なども実施しています。その他、腎移植手術も行っています。
耳鼻咽喉・頭頸部外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3192 鼓室形成手術(耳小骨再建術) 79 1.03 3.24 0.00 38.99
K3191 鼓室形成手術(耳小骨温存術) 59 1.03 3.29 0.00 38.22
K340-6 内視鏡下鼻・副鼻腔手術4型(汎副鼻腔手術) 55 1.02 3.07 0.00 53.00
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 40 1.38 3.05 0.00 54.58
K374-2 鏡視下咽頭悪性腫瘍手術(軟口蓋悪性腫瘍手術を含む。) 鏡視下咽頭悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器) 36 1.69 11.28 0.00 65.28
 慢性中耳炎・真珠腫性中耳炎に対する各種鼓室形成術、乳突削開術、鼻内視鏡下手術などが指標に挙げられています。
 副鼻腔炎手術例では喘息と合併する好酸性副鼻腔炎が増加しています。ナビゲーションシステム,高解像度内視鏡システムなどを用いて安全な手術を実施しています。さらに耳手術にも内視鏡手術を取り入れています。いずれも術前日数や在院日数が全国平均よりも短く、年々入院期間が短くなっています。
 悪性腫瘍では、比較的早期の場合、内視鏡技術を取り入れた副鼻腔手術、内視鏡下鼻科悪性腫瘍手術、咽頭手術を行っています。いずれも体の負担が少なく、機能・形態の悪化が少ないことが特徴です。2024年1月から手術支援ロボットダビンチXiを用いた咽頭悪性腫瘍手術を開始しました。術後のQOLや合併症が少ないことから適応を拡大し、治療成績と術後QOL向上の両立に取り組んでいます。
 これ以外に舌がん,咽頭癌,喉頭癌などの頭頸部悪性腫瘍では、放射線科と共同して血管内抗がん剤治療と放射腺治療を組み合わせた臓器・機能温存治療,頸部郭清術、形成外科・歯科口腔外科と共同してより術後の機能が良くなるように機能形態再建手術に取り組んでいます。またアルミノックス治療(光免疫療法)も全国有数の実施件数です。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの) 839 0.38 1.02 0.01 69.44
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含むもの) 396 0.54 1.86 0.01 60.70
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術(その他のもの) 227 0.72 1.62 0.01 64.06
K2682イ 緑内障手術(流出路再建術)(眼内法) 135 0.48 1.08 0.01 67.67
K2684 緑内障手術(緑内障治療用インプラント挿入術)(プレートのないもの) 83 1.10 1.42 0.00 68.18
 当院は、沖縄県で唯一の大学病院として、重症かつ難易度の高い眼科手術を数多く実施しています。
 現代では白内障手術(水晶体再建術)は安全かつ短時間で行えるようになりましたが、核が硬い白内障、水晶体亜脱臼、緑内障合併、高齢患者など、手術の難易度が高い症例も少なくありません。当科では、このような複雑な症例に積極的に対応しています。また、移植された人工レンズがずれた場合には、硝子体手術を併用し、特殊な方法で人工レンズを固定しています。この際に行われるのが「硝子体茎顕微鏡下離断術(その他)」です。
 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含む)は、網膜剥離、増殖糖尿病網膜症、硝子体出血、黄斑円孔、黄斑前膜など、重度の視力低下を招く疾患に対して行われます。さらに、外傷や重症増殖糖尿病網膜症、重症網膜剥離に対しては「増殖性硝子体網膜症手術」を行っています。当科では年間約700件もの硝子体手術を実施しており、県内でも中心的役割を担っています。
 一方、緑内障手術は眼圧を下げるために行われますが、高度な技術と術後の緻密なケアを必要とするため、実施できる施設は県内でも限られています。当科では従来から積極的に治療を行ってきましたが、昨年度より入院期間がさらに短縮しており、患者さんの負担軽減につながっています。特に、「緑内障治療用インプラント挿入術(プレートのないもの)」の症例数が増加しており、安全かつ効果的な治療として成果を挙げています。
 当科は、最新の医療機器と新しい治療方法を積極的に導入し、安全で質の高い医療を提供することで、全国平均と比べても短い入院期間を実現しています。
放射線科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6154 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他のもの) 23 0.30 1.43 0.00 62.00
K6232 静脈形成術、吻合術(腹腔内静脈) - - - - -
K007-2 経皮的放射線治療用金属マーカー留置術 - - - - -
K6151 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(止血術) - - - - -
 放射線科における血管内治療(塞栓術)とは、カテーテルを血管内に挿入して出血や腫瘍などの病変に対し血管内から薬剤の注入や金属コイルの留置を行って治療を行う方法です。治療の対象としては、腫瘍性病変と、血管奇形や動脈瘤などの非腫瘍性病変に大別されています。いずれの場合においても、低侵襲であることや、治療に使用する機材の発展に伴う適応の拡大により、近年治療を受ける患者様が増加しています。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0111 顔面神経麻痺形成手術(静的なもの) 19 0.84 3.42 0.00 62.11
K628 リンパ管吻合術 18 0.61 1.00 0.00 62.72
K2193 眼瞼下垂症手術(その他のもの) 12 0.50 1.17 0.00 35.83
K2191 眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法) 12 0.25 1.17 0.00 63.33
K0151 皮弁作成術・移動術・切断術・遷延皮弁術(25cm2未満) 10 0.70 1.50 0.00 34.30
 まぶたが下がってくる「眼瞼下垂」や「顔面の傷」、生まれつきの「口蓋裂」に対する手術を積極的に実施しています。又、生まれつき胸がへこんでいる「漏斗胸」に対する手術、足が浮腫んでしまう「リンパ浮腫」に対する手術も積極的に行っています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 41 0.29%
異なる - -
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 34 0.24%
異なる - -
 播種性血管内凝固症候群(DIC)、敗血症、真菌感染症、手術・術後の合併症の患者さんについて、入院契機となった傷病と同一か異なるかに分けた患者数とそれぞれの発生率(請求率)を集計したものです。
 この指標は、医療の質の改善に資するため、臨床上ゼロにはなりえないものの少しでも改善すべきもので、DPCデータの精度向上を図るために公表することとされている項目です。
➢ DPC6桁コード・・・DPCコードは傷病名、実施した手術、実施した処置、年齢、重症度、副傷病等の内容に応じて14桁のコードに分類されています。その中で左6桁は傷病名による分類を表しています。
➢ 入院契機・・・DPCコードは、入院期間中に医療資源を最も投入した傷病名(DPC傷病名)から決定しますが、それとは別に入院の契機となった傷病名がそれぞれの患者さんには付けられています。この指標では、DPC傷病名と入院契機傷病名が「同一」か「異なる」かに分けて集計しています。
➢ 発生率(請求率)・・・令和7年度の退院患者数に対し、各傷病名で診療報酬の請求を行った患者さんの割合です。

 【解説】
◇播種性血管内凝固症候群(130100)
 播種性血管内凝固症候群とは、さまざまな重症の基礎疾患により、血栓が多発して臓器不全、出血傾向のみられる疾患です。基礎疾患には、急性前骨髄球性白血病・前立腺がん・肺がんなどの悪性腫瘍、前置胎盤早期剥離・羊水塞栓などの産科系疾患、敗血症、熱傷、外傷など、さまざまな疾患があります。これらの基礎疾患の悪化に伴い、大量の血液凝固促進物質が血管内に出現することが原因と考えられています。
 当院では、DPC傷病名と入院契機となった傷病名が同一である症例、異なる症例が、どちらも症例はありませんでした。
◇敗血症(180010)
 敗血症とは、感染症に起因した重篤な全身性炎症反応の症状を引き起こす疾患です。悪性腫瘍、血液疾患、糖尿病、肝・腎疾患、膠原病といった基礎疾患や未熟児、高齢者、手術後といった状態から起こる場合が多いとされています。
 当院では、DPC傷病名と入院契機となった傷病名が同一である症例が41例で発生率0.29%でした。
◇その他の真菌感染症(180035)
 真菌はいわゆるカビです。そのため、空気中、土中のあらゆる場所に存在します。しかし、健康な人は抵抗力があるため、普通は感染しません。不潔にしていたり、抵抗力が落ちていたり、何らかの病気で免疫力が低下することにより、真菌感染症を発症します。感染症にかかりやすいのは、小児、高齢者や、糖尿病、免疫不全症、免疫抑制を行っている患者さん、抗がん剤治療を行っている患者さんがこの中に入ります。
 真菌感染症で代表的なものは、アスペルギルス症、カンジダ症、クリプトコックス症です。
◇手術・処置等の合併症(180040)
 DPC傷病名と入院契機となった傷病名が同一である症例が34例で発生率が0.24%でした。
 最も多いのは人工透析や腹膜灌流を行う際に必要なシャントやカテーテル等に、狭窄や閉塞、感染を発症し、その治療を目的として入院しています。次に腹部大動脈瘤に対するステントグラフト治療後に併発するエンドリーク(ステントグラフトでカバーした動脈瘤の中に、血液が流れ込む現象です。)にて入院している患者さんが続きます。また、手術後の創部感染や腹腔内の感染等の治療目的の患者さんもおり、これは基礎疾患の悪化により感染症を発症したことが原因のひとつと考えられています。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
954 744 78%
肺血栓塞栓症とは、血管の中にできた血液のかたまり(血栓)が肺の血管につまって、肺から血液への酸素の取り込みができなくなる病気で、長時間飛行機に乗った時にみられるエコノミー症候群としても知られています。手術や大きな検査を受ける場合には肺血栓塞栓症が起こりやすい状態になります。これは、手術や検査によって血液が固まりやすい状態に変化することや、寝たきりの状態が長いと足の血の巡りが悪くなるため、足の静脈に血のかたまりができやすくなるからです。血栓症の既往のある方、長期間寝たきり、血液がかたまりやすい病気、がん、肥満、高齢の患者さんはリスクが高いと言われており、予防が重要となります。当院では、関係学会によるガイドラインに従って、手術の種類や患者さん固有のリスクを考慮して予防法(弾性ストッキング、空気マッサージ器、薬剤など)を選択しています。患者さんの安全な療養生活につながるよう予防対策の実施率向上に向け取り組みを続けて参ります。
※当該項目は医療機関の性質ごとに異なるため、他医療機関の値との単純比較は困難である。
血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード
血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
2272 508 22.36%
※当該項目は医療機関の性質ごとに異なるため、他医療機関の値との単純比較は困難である。
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード
広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
705 479 67.94%
※当該項目は医療機関の性質ごとに異なるため、他医療機関の値との単純比較は困難である。
転倒・転落発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生した転倒・転落件数
(分子)
転倒・転落発生率
186266 515 2.76‰
※当該項目は医療機関の性質ごとに異なるため、他医療機関の値との単純比較は困難である。
転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生したインシデント
影響度分類レベル3b以上の
転倒・転落の発生件数(分子)
転倒転落によるインシデント影響度
分類レベル3b以上の発生率
186266 9 0.05‰
※当該項目は医療機関の性質ごとに異なるため、他医療機関の値との単純比較は困難である。
手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率ファイルをダウンロード
全身麻酔手術で、
予防的抗菌薬投与が実施された
手術件数(分母)
分母のうち、手術開始前
1時間以内に予防的抗菌薬が
投与開始された手術件数(分子)
手術開始前1時間以内の
予防的抗菌薬投与率
3477 3472 99.86%
※当該項目は医療機関の性質ごとに異なるため、他医療機関の値との単純比較は困難である。
d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和もしくは
除外条件に該当する患者を除いた
入院患者延べ数(分母)
褥瘡(d2(真皮までの損傷)以上
の褥瘡)の発生患者数(分子)
d2(真皮までの損傷)以上の
褥瘡発生率
186266 155 0.08%
※当該項目は医療機関の性質ごとに異なるため、他医療機関の値との単純比較は困難である。
65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合ファイルをダウンロード
65歳以上の退院患者数
(分母)
分母のうち、入院後48時間以内に
栄養アセスメントが実施された
患者数(分子)
65歳以上の患者の入院早期の
栄養アセスメント実施割合
6421 3425 53.34%
※当該項目は医療機関の性質ごとに異なるため、他医療機関の値との単純比較は困難である。
身体的拘束の実施率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
(分母)
分母のうち、身体的拘束日数の総和
(分子)
身体的拘束の実施率
164553 6133 3.73%
※当該項目は医療機関の性質ごとに異なるため、他医療機関の値との単純比較は困難である。
更新履歴