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平成31年 病院長年頭挨拶

fujita






 みなさん、明けましておめでとうございます。


 私は昨年同様、年末・年始は故郷の香川県高松市には帰省せず、沖縄県で暖かいお正月を過ごしておりました。元旦は少し肌寒い天気でしたが、朝、琉球大学医学部附属病院を訪れたところ、久高島を眺望できる「海の広場(呼称)」には多くの近所の方々が集まっておられました。昨年とは趣の異なった幻想的な初日の出を見ることができました。


 医学部、および附属病院の移転については、2025年の移転に向け、病院機能の充実に努めていきたいと存じます。


 新しい話題として、琉球大学次期学長に西田睦理事・副学長が選出されました。附属病院長として、これまでと同様に、本部との連携を強化に努めてまいりたいと考えています。また病院長選考方法が一新され、さらに近い将来、医学部から切り離された形での「琉球大学病院」に改称される予定です。


 さて本院の最重点課題は、救急部とリハビリテーション部の充実です。救急体制は、今年度、救急部に特命教員を採用することで、より充実してきています。医療機能評価係数Ⅱ(救急医療係数)は、約2.6倍増加しています。また救急医療管理加算件数も順調に伸びています。


 リハビリテーション部の機能強化の目的は、早期離床・早期ADL改善にあります。リハビリテーション部の機能強化により、適正な入院期間、質の高い医療へ寄与しています。リハビリ開始日数は、何と平均3.7日まで改善しています。また算定金額も順調に伸びています。


 退院支援の強化も重要です。昨年度と比較して、平均在院日数の0.3日の短縮し、新入院患者数は、236名(2.9%)増加しています。


 院内整備に関してお話ししたいと存じます。平成29年に増設した超高精細CTの活用について、積極的な外来でのCT撮影件数増の協力をお願いしたいと思います。また今年度の目玉は、MRIの増設です。これは学内融資制度による整備であり、本年1月から稼働開始でいたします。また放射線治療装置を更新し、昨年11月から稼働を開始しています。また麻酔器更新も3年計画で進めています。外来化学療法室の増床による機能強化として、外来化学療法室を4床増床、昨年12月中旬に工事終了予定し、本年2月から段階的に運用を開始します。また今年度中に、微生物検査自動塗布装置を導入いたします。


 病院の経営に最も貢献するのが手術件数です。本院では、手術室の増室と手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」の導入の波及効果により、手術件数は昨年度に比べ約100件増加しています。


 今年度の病院収支は、もう少しの努力で黒字になる見込みです。特に迅速な対応が求められるものとして、保留レセプトの処理があります。診療科の先生方には、診療情報管理センターの指示の下、保留レセプトの対応をお願いしています。皆さまのご理解、ご協力をよろしくお願いいたします。


 本院は沖縄県における唯一の医育機関病院であり、且つ唯一の特定機能病院でもあります。これらの本院の役割を果たしつつ、沖縄県地域医療支援センターの機能を強化することで、沖縄県の地域医療の司令塔として、継続的に離島・へき地医療を守るための役割を果たさなければなりません。また附属病院の移転準備も着実に実施していく必要があります。


 最後に、附属病院長として病院を受診される患者さんをはじめ、医学部、および附属病院関連の職員の皆様のご健勝と益々のご発展を祈念致します。


初日の出

2019年1月1日 雲の隙間から見える幻想的な初日の出

(「海の広場(呼称)」より)



平成31年1月4日  琉球大学医学部附属病院長 藤田次郎