VITEK 2のAdvanced Expert System (AES) における薬剤耐性表現型判定の精度解析
琉球大学医学部附属病院検査部 仲宗根 勇, 金城 徹, 古堅 興子, 木佐貫 京子


【目的】VITEKでの薬剤感受性試験では, 測定されたMIC値からAdvanced Expert System (AES) を用いて薬剤耐性機序の表現型解析が可能である。今回我々は, 耐性遺伝子の検索を含む他の試験方法でその耐性機序を確定した菌株を用い, VITEK2から得られたAESの判定妥当性を評価した。
【材料と方法】Clindamycin誘導耐性(D test 陽性) Staphylococcus aureus 28株(MRSA 24株, MSSA 4株), 非誘導株16株(MRSA 3株, MSSA 13株), PBP2’陽性coagulase-negative staphylococci(CONS) 27株, PBP2’陰性CONS 19株, penicillinに耐性または中間に判定されたStreptococcus pneumoniae 43株, 同感性株14株, ESBL 50株(Escherichia coli 24株, Klebsiella pneumoniae 26株), non-ESBL(E. coli 24株, K. pneumoniae 21株)を使用した。EnterococciはVan A陽性 21株(E. faecium 18株, E. faecalis 1株, E. casseliflavus 1株, E. gallinarum 1株), Van B陽性 29株(E. faecalis 14株, E. faecium 11株, E. casseliflavus 3株, E. gallinarum 1株), Van A+B 陽性 4株(E. gallinarum 3株, E. faecium 1株)と臨床分離株のE. gallinarum 5株を使用した。
【結果】AESはCLDM誘導耐性28株中25株(89.3%)を正しく判定した。CLDM非誘導株とMRSA, MSSAの判定はすべて一致した。PBP2’陽性のCONS 27株中25株(92.6%)を正しく判定したが, PBP2’陰性の2株がPBP変異に判定された。S. pneumoniaeのpenicillin耐性は, 感性の2株(3.5%)がPBP変異, 中間 の4株(7.0%)が野生株 (感性株)に判定された。MIC値が中間_耐性の株は90.7%がPBP変異と判定された。ESBL 50株では49株(98%)が基質拡張型β-lactamase産生と判定され, non-ESBL株は100%一致した。Van A型(21株)のenterococciはすべてVan A型と判定され, Van A+B(4株)はVan A型に判定された。Van B型(29株)は1株がA, 4株はC型と判定された。C型に判定された菌種はE. casseliflavus , E. gallinarumであった。
【まとめ】VITEK 2のAES判定は, 現在臨床領域で特に問題となっている耐性菌の検出と分類に信頼性の高い検査方法であることが確認された。
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