トピックス 琉球大学病院が膵臓移植施設へ認定されました

高槻 光寿 第一外科長・教授
大野 慎一郎 第一外科 助教
図1:脳死膵腎同時移植術
図1:脳死膵腎同時移植術
 このたび、琉球大学病院が膵臓移植施設へ認定されました。国内では19施設目、九州では九州大学・長崎大学に続いて3施設目となり、沖縄では初めての認定です。現在、琉球大学病院では(生体)肝移植と腎移植を行っており、また新しい臓器移植治療が加わったことになります。
 主に対象となる病気は、1型糖尿病(血糖を下げるホルモン(インスリン)が全く作れない方)や病気の合併症により腎不全となっている方、です(『日本膵・膵島移植研究会』HP)。このような患者さんはインスリンをずっと打ち続けねばならず、また糖尿病に伴う様々な合併症で著しくQOL(クオリティ・オブ・ライフ)が損なわれており、膵臓移植は根治療法として確立されています。大部分(約80%)の患者様は、糖尿病性腎症による慢性腎不全を合併しており、この様な患者様に対しては脳死ドナーから提供された膵臓と腎臓の同時移植(SPK)が行われます(図1)。同時移植の場合は、すでに当院で腎臓移植施設として認定されている腎泌尿器外科と協力して手術を行うことになります。その他、腎移植後の膵単独移植(PAK)と、腎機能が保たれている1型糖尿病の患者様に対する膵単独移植(PTA)があります。
 代謝内科・腎臓内科・麻酔科・ICU・感染症内科等々、病院の総合力が問われる医療ですので、県内唯一の特定機能病院である琉球大学病院で行う意義は大きいものと思われます。今まで県外に手術をお願いしていた方々も、沖縄で治療を完結できるようになりました。長く治療を続けて苦しまれている患者さんやご家族、担当医の先生はぜひご相談ください。

 
 本件に関するお問い合わせ・患者様のご相談は第一外科 大野慎一郎医師までお願いいたします。