沖縄県第1号の第1種滅菌技師が誕生しました −材料部は、「縁の下の力持ち」−
徳田京美 材料部 看護師

 「第1種滅菌技師」「第2種滅菌技士」を聞いたことがありますか?「滅菌技師/士」を初めて聞いた方も多いのではないでしょうか。
 医療施設では、治療(処置)や手術などで様々な医療器材を使用しています。例えば、ピンセットやはさみ、内視鏡手術やロボット手術で使う精密な器具などがあります。これらの医療器材は材料部などと呼ばれる部門に運ばれ、「洗浄・滅菌」という再生処理を行い、再利用できるようにします。そこで、重要になってくるのが、洗浄・滅菌の品質管理です。洗浄や滅菌は、機械に入れればできているかというと、そうではありません。家庭では、食器洗い機がよく使われますが、乾燥した米粒や汚れが残ったままだったという経験はありませんか?また、電子レンジでチンしたらちゃんと温かくなっているかというと、ムラがあることがあります。同じようなことが医療器材の洗浄や滅菌でも起こります。このようなことが起きないために、洗浄方法や機器類の選択、洗浄や滅菌ができているか検査をしたり、より効果的に洗浄・滅菌するための方法を検討するなど品質管理を行う必要があります。これらを管理できるのが、日本医療機器学会が認定する「滅菌技師/士」です。
 琉球大学病院では、第1種滅菌技師1人、第2種滅菌技士5人が所属し、患者さんへ安全に安心して医療器材を再使用できるよう、専門的な知識と技術をもって洗浄・滅菌を管理しています。特に、当院では洗浄後の医療器材の目視点検に力を入れており、汚れや錆などがないかひとつひとつ確認をしています。また、はさみならばきちんと切れるかテストをするなど、性能検査にも力を入れています。どんなに素晴らしい処置を行ったとしても、使用する医療器材が適切な滅菌がされていなかったり、適切な性能がないと効果は発揮できません。
 医療器材の再生処理を行う材料部は、目立たない場所で業務を行っています。材料部って何をするところ?と医療施設内でも、認知度がまだまだ低い部門です。しかしながら、“材料部の機能が停止をすると、病院の機能も停止してしまう”というくらい、「重要な部門」であり「縁の下の力持ち」のような役割を果たしています。
 このような部門で業務を担うことに誇りを持つと同時に、大きな責務を感じています。沖縄県第1号の第1種滅菌技師として、これからがスタートだという新たな気持ちでいます。日進月歩する医療の発達(医療器材の発達)と共に、知識と技術を学び、医療器材の向こうには、使用する医療者と使用される患者さんがいることを思い、安全な器材を提供できるよう役割を担っていきたいと思います。

滅菌技師写真