就任の挨拶

中村幸志 衛生学・公衆衛生学講座教授

沖縄県の健康長寿復活を目指して

 令和元年7月1日付で琉球大学大学院医学研究科衛生学・公衆衛生学講座の教授を拝命しました中村幸志と申します。当講座は琉大病院で診療を担当していませんが、沖縄県民の健康づくりを担う立場として広報誌でごあいさつできることを光栄に思います。
 公衆衛生学は、社会医学や予防医学に位置づけられ、人(集団)と環境への組織的アプローチによって、疾病予防・健康増進を図る領域です。本来は医療機関の全ての診療科と接点を持つ幅広い領域ですが、私は循環器系疾患(心疾患、脳卒中、その危険因子である高血圧、代謝異常)、がんを中心とするいわゆる生活習慣病の予防を専門としています。これに関する研究と実践活動の研鑽を県外のいくつかの大学で積んでまいりました。
 かつての沖縄県は健康長寿県として知られていましたが、現在はそうではありません。本土よりも早い洋風食文化の浸透や沖縄県特有の地理的・社会的事情のためでしょうか、生活習慣病が増加しています。そのような中、当講座は、県、市町村、事業所、学校などで健康づくりを担う皆様、琉大病院をはじめとする医療機関の皆様、職能団体の皆様、そして何より県民の皆様とともに健康長寿復活に貢献していきます。そのための科学的根拠を見出し、関係者の実践活動を支援していくことが当講座の役割と考えています。皆様とは、地域や職場などでお会いすることがあるかもしれません。どうぞよろしくお願い申し上げます。
就任の挨拶