琉球大学医学部附属病院長藤田 次郎みなさん、明けましておめでとうございます。

  私は昨年同様、年末・年始は故郷の香川県高松市には帰省せず、沖縄県で暖かいお正月を過ごしました。娘も沖縄に戻り、久しぶりにのんびりと過ごしておりました。元旦は良い天気で、朝、琉球大学医学部附属病院を訪れたところ、久高島を眺望できる「海の広場(呼称)」には多くの近所の方々が朝陽を見ようと集まっておられ、私もタイミングよく初日の出を見ることができました。翌2日も美しい朝陽を見ることができました。
  さて一昨年の4月から病院長に就任しておりますが、この1年9カ月は、本当に充実した日々を過ごさせていただきました。病院の問題点も把握できるようになり、これからも病院改革に取り組むつもりです。
 今年の院内整備の、一番の目玉は、手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」の導入と、手術室の増室です。「ダ・ヴィンチ」は今年早々に、また新しい手術室は、平成29年6月に稼働開始予定です。また新たに3台目のCTシステムを導入し、平成29年8月に稼働開始予定です。さらに3台目のMRIの導入を計画中であり、平成29年度以降に整備する予定です。
 さて本院の経営状況について述べたいと思います。昨年(平成28年度第3四半期まで)の経営状況は、DPC医療機関係数が大幅に増加したこと、また病床稼働率が改善したこと、などにより順調に推移しています。得られた収益を最新の医療機器購入などに充てることで、より質の高い医療を患者さんに還元したいと存じます。
 今後、継続して急性期病院としての役割を果たすための救急医療の充実強化を図ります。また在院日数の短縮やADL向上のため、リハビリテーション、入退院センター、栄養管理指導、周術期口腔機能管理の充実強化も目指します。さらに医師の負担軽減のため医師事務作業補助者の増員を図ります。
 附属病院の良好な経営状態を維持するために、引き続き、診療科、病棟、中央診療部門に関連した目標値を設定し、定期的に目標値の達成状況を確認する方法で経営改善を進めていきます。皆様のご理解・ご協力をお願い致します。
 本院は沖縄県における唯一の医育機関病院であり、且つ唯一の特定機能病院でもあります。これらの本院の役割を果たしつつ、一昨年末に立ち上げました沖縄県地域医療支援センターに代表されるように、沖縄県の地域医療の司令塔としても期待されており、継続的に離島・へき地医療を守るための役割を果たさなければなりません。これらも勘案して、病院機能の向上を目指していきたいと考えております。さらに重要なことは患者サービスの充実です。待ち時間の短縮、トイレの改修、癒やしのコンサートの企画、中庭のクリスマス・イルミネーションなど快適な療養環境の整備を目指します。
 最後に、附属病院長として病院を受診される患者さんをはじめ、医学部、および附属病院関連の職員の皆様のご健勝と益々のご発展を祈念致します。