施設の紹介 再生医療研究センター

琉球大学で再生医療・細胞治療が可能に! 野口洋文 琉球大学大学院医学研究科 再生医学講座 教授 琉球大学医学部再生医療 研究センター センター長

 沖縄県の再生医療中核拠点として、平成27年4月に再生医療研究センターが設置され、同年6月に開所式が行われました。当センターは、ロート製薬(株)から寄贈された2階建ての建物(延床面積812m²の1階部分に、沖縄県先端医療産業開発拠点形成事業で整備された本格的な細胞培養加工施設(床面積224m²)を有しています。この細胞培養加工施設は、合計12のユニットからなる本格的なもので、近年主流になりつつあるアイソレータ方式を採用しています。このアイソレータ内は極めて高い無菌状態となっており、GMP基準に準拠した再生医療用の細胞を調製することができます。
 平成26年11月25日に「再生医療等の安全性の確保等に関する法律(再生医療等安全性確保法)」が施行され、細胞培養加工施設の登録や再生医療等提供計画書の提出など、この法律に従った再生医療や細胞治療の実施が義務付けられています。琉球大学医学部では、ハード面の準備として同センター内に設置した細胞培養加工施設の審査を医薬品医療機器総合機構(PMDA)から受け、平成27年10月に特定細胞加工製造物事業者として九州地方厚生局長から許可を取得しました。ソフト面の準備として標準作業手順書(SOP)の整備のため、平成26年12月に標準化委員会を設置し、改訂を重ねて平成27年10月にSOPが完成しました。また平成27年6月に琉球大学医学部内に認定再生医療等委員会および特定認定再生医療等委員会の設置を申請し、同年10月に認定を受けました。施設許可および委員会の設置認定により、琉球大学医学部では治療用の細胞を培養・加工・供給できる体制が整ったことになります。
 当センターの業務は、細胞培養加工施設を維持管理・運営しつつ、安全な再生医療用の細胞を供給し、医学部附属病院や医療機関、研究機関、企業などと連携して優れた再生医療研究を実用化することです。将来的には、当センターにて実用化された再生医療を多くの患者様に提供し、沖縄県の健康社会の実現と再生医療の産業化推進に貢献したいと考えております。