骨髄移植センター

百名 伸之骨髄移植センター長

『最新の移植医療を県内で!』

  骨髄移植センター長の百名伸之です。同センターは平成22年4月に設置さ れ、今年で6年目になります。骨髄移植については、公的骨髄バンクの広告 等で皆さんも馴染みがあると思いますが、その内容はあまり知られていま せん。‘手術で骨を切るの?’って思われる方もまだいらっしゃるようです。正しくは造血細胞移植と呼ばれ,血液を造る細胞をドナーからいただい て、輸血のように血管内に注入するのです。造血細胞は通常は骨髄にある ため、骨を穿刺し吸引で採取します。骨髄以外にも、特殊な状況では末梢 血液にも見られ、また生まれたての赤ちゃんのへその緒の血液にもあることが分かり、それぞれ末梢血幹細胞移植、臍帯血移植と呼ばれています。

移植はどのような患者さんに必要でしょうか?血液の細胞をそっくり入れ 替えるので(血液型も変わります!)、血液の病気が中心です。再生不良 性貧血や白血病がよい適応です。それぞれお薬だけで治ることもあります が、難しい場合は移植の登場です。また、まれですが免疫細胞に異常のあ る先天性免疫不全症は、移植が唯一の根治療法です。骨髄移植センターで は、年間に小児で10件、成人で15件前後の移植を行っており、現在は県外に転院する必要はありません。また、専任の臨床心理士によるこころのケアも充実しています。造血細胞移植はまだまだ解決すべき問題も多く、今 後とも沖縄県の移植医療を責任をもって担っていきたいと思います。

輝くスタッフ紹介 褥瘡対策室

平良 智恵美看護師長

『褥瘡対策室の活動』

  2003年より看護部褥瘡対策室が設けられ、専任看護師として配属され ました皮膚・排泄ケア認定看護師です。皮膚・排泄ケア認定看護師とは、 「スキンケア」を専門としており、創傷ケア、褥瘡ケア、ストーマケア、 失禁ケアを行っております。皮膚に関するトラブルを解決できるように提 案したり、アドバイスをしております。その中で、関わることが多いのは 褥瘡ケアです。褥瘡は外力の影響による皮膚の損傷であり、その予防が必要になります。褥瘡の原因は、ご自身で身体が動けなくなり同じ姿勢で寝たきりになった場合に発生しやすくなります。例えば、何らかの疾患により、血圧が低下し動けなくなったり、全身麻酔での長時間、あるいは、特殊な体位での手術の場合に皮膚のトラブルが生じやすくなります。特に発 生が多い部位としては、体圧の半分以上がかかっているおしり(仙骨部) です。動けなくなれば、おしりにかかった体圧をできるだけ取り除くこと が大切になってきます。褥瘡予防策としては最新の高機能褥瘡予防マットレスを揃えたり、体圧分散の用具を取り入れ、患者様にあったケアを提供できるようにしております。

 褥瘡対策室では、入院中のみならず、ご自宅に退院された後も適切なケアが継続できるよう、また、褥瘡を発生させないように予防ケアを第一としております。やむを得なくできてしまった場合には、全力で早く、きれいに治癒するようにケアしております。