中央診療施設等の紹介 機能画像診断センター

PETで全身の癌をみつける!

 皆さま、放射線部長で機能画像診断センター長を兼任している村山貞之です。機能画像診断セン ターという堅苦しい名前がついているセンターですが、具体的にはPET検査センターです。PETと いう検査はPositron Emission Tomographyの略で、微量の放射線を帯びた物質を静脈注射で体内 に投与1〜2時間後、その物質が集まる部位をCTに似たドーム状になった機械に入ってもらって 撮影するものです。現在その薬はFDG(フルオロデオキシグルコース)という薬を用いています。 FDGはブドウ糖によく似た物質なので、正常細胞に比べ3〜8倍のブドウ糖を取り込むがん細胞によ く集まります。つまりFDG-PET検査は、がんの場所を特定できる検査法です。

 沖縄県内の他施設にもこのPETはありますが、我々のPET機器の特徴は高画質、高精度であり、がんの大きさが1cm内外でもよく描出できる点です。しかも最短で20分間ドーム状の機械の中で安静にしていただければ、高画質の画像ができあがります。

 ということで、PET検査は、がんの診断をうけて、これから治療を行う患者さんに、他にがんが転移していないか、これからどういう治療法がベストかを判断する上で重要な検査法です。センターの専門医療スタッフがしっかりと検査し放射線科専門医が正確な読影を行いますので、安心して検査を受けてください。

 保険診療ではないのですが、FDGががん細胞によく集まるという性質を利用して、全く無症状の健康の方に対してのがん検診にも用いられてきています。当PETセンターでも、ご要望に応えて昨年12月より、がん検診をスタートさせています。詳しくは、琉大病院ホームページの診療科部等のご紹介のページをめくって、放射線科の欄に行ってください。検診を受け付ける連絡先などが書いてあります。アドレスはこちらです。
http://www.hosp.u-ryukyu. ac.jp/radt/pet.html