特集

医療情報システム更新〜電子カルテが新しくなりました〜

 平成27年2月1日、琉大病院は、医療情報システムを更新しました。琉大病院としては3回目の更新で、全診療科のカルテが電子化されました。更新のコンセプトは、「より速く、より快適に、そしてより安全に」です。確かに電子カルテの動きが俊敏になりました。患者さん・ご家族の方がご覧になるモニターでの画像写真もきれいになったのではないでしょうか。
 ところで医療情報システムとは? 従来、紙カルテに記録していた治療経過、看護記録、薬剤処方、検査オーダー・結果、画像データ、他院からの紹介状など、診療に必要な様々な情報を電子的に統合管理・記録するコンピュータシステムを指します。琉大病院の診療には多くの専門性のある職員が関わっています。これら多職種間で情報を共有し、そして診療に必要な指示を伝達し、チーム一丸で診療にあたるのが正しい医療のあり方と考えられ、これを実現するのが医療情報システムです。今回のシステム更新により、これまで以上に医療情報の正確で迅速な伝達が可能となり、より満足度の高い、安全で効率的な医療の提供が期待できます。もちろん、その運用にあたっては、守秘義務を遵守し、患者さん個人の情報保護とコンピュータ・ウィルスの進入や外部からの不正アクセスに対しては、細心・最善の対策を講じています。
 今回の更新により、安全な医療の提供はもちろん、患者さんの利便性の大幅な向上がもたらされると思います。期待して下さい。

紹介:臨床研究教育管理センターの開設について

 数年前に当時の病院長のご尽力もあり、従来の治験管理室と臨床薬理学講座を中心に行われていた治験以外の臨床研究支援体制を合体させ臨床研究支援センターをたちあげました。現在でこそこのような体制をとる大学病院は増えてきましたが、当時は一般的ではなく、ご尽力いただいた病院執行部、事務部や看護部、薬剤部に感謝しております。その後いくつかの診療科の臨床研究の支援を行うことができるようになり、支援スタッフの経験も積むことができて琉球大学病院の臨床研究に幾ばくかの貢献ができたと思います。そしてこのたび、文部科学省のGP「臨床研究マネジメント人材育成事業」採択を契機として更に病院全体で質の高い臨床研究を発信するために臨床研究教育管理センターを開設いたしました。いろいろな治療法や診断法の発展は診療上の疑問に端を発していることが多く、医師(医療者)主導の臨床研究が必要ですが、バルサルタン問題を契機に研究者が自ら信頼性の確保や被験者の保護といった質の担保に取り組む必要性が認識されています。そのためには人材育成、具体的な品質管理の実施、研究計画書作成段階からの支援などにさらに取り組む必要があります。臨床研究教育管理センターはこれらを実現するための実務と教育を行います。患者さんが安心して研究に参加でき、その結果よりよい診療がうけられるように努力していく所存であります。