新任教員紹介

ひとりひとりに最適の安心な医療を提供するために

 このたび、平成26年8月1日付けで琉球大学医学部附属病院検査部長、輸血部長、遺伝カウンセ
リング室長に就任いたしました。非常に多岐にわたる業務を仰せつかり、大役に身の引き締まる思
いです。
 琉大病院検査部および輸血部では、迅速かつ正確な検査結果の報告および輸血関連業務を行うべ
く、多くのスタッフが日々努力をしてくれています。勤務している医師、臨床検査技師、看護師、事
務系職員はすべて、業務に対する情熱、責任感を強く持っており、非常に高いモチベーションのもと
で診療に貢献してくれていると感じております。患者さんに接する機会は、採血、生理検査、自己血
採血などで、あまり多くはないのですが、検体の先に患者さんの姿を想像し、より良い診療を行うこ
とに少しでも貢献したいと努力を惜しみません。それでも、時には患者さんや診療している臨床ス
タッフの方にご不便をおかけしている事があるかと思います。検査部、輸血部のスタッフは常に精一
杯の努力を重ねるよう心がけ、現場のニーズにあわせて、より良い検査部、輸血部となるよう、一丸
となって努力していきたいと思っておりますので、どうかお気軽にご意見をお寄せ頂ければと思いま
す。
 さて、私は昭和60年に滋賀医科大学を卒業し、15年間内科医として糖尿病や腎臓病の診療と研究
に従事した後、平成12年からは理化学研究所で糖尿病等のヒトゲノム研究に取り組んできました。
ゲノムとは生命の設計図とも呼ばれ、人では細胞の中の主に染色体におさめられている、およそ30
億文字の暗号から成るDNA情報(遺伝情報)のことです。人にはそれぞれの体質があり、たとえば、
同じような環境に育っても、病気になる人もいれば、ならない人もいます。同じ薬を飲んでも、よ
く効く人、効きにくい人、副作用が出てしまう人がいます。このような個人差はヒトゲノム情報の
個人差で決められていて、どのような個人差でその違いがでるのかがわかれば、一人一人に最適な
医療を効率よく提供できるようになります。英語では「パーソナライズドメディスン(personalized
medicine)」、日本語では個別化医療、オーダーメイド医療やテイラーメイド医療と呼ばれる事もあ
ります。まだまだ、発展途上の段階ですがいずれは日常的に、このような検査が検査室で行われるよ
うになり、多くの患者さんが最適の医療を迅速に受けられる時代がやってくると信じております。一
方で、このようなゲノム、遺伝と言った領域は非常に難しくて、わかりにくいとお悩みになる事もあ
るかもしれません。まずは主治医の先生にご相談頂くのが一番安心されると思いますが、遺伝カウン
セリング室にご相談がありましたらこちらにもお気軽にご連絡頂ければと思います。
 まだ赴任して3ヶ月ほどで、慣れない日常業務に謀殺されておりますが、琉大病院において、より
良い診療の提供に貢献できるよう努力していきたいと思いますので、どうか皆様のご支援、ご協力を
賜りますよう心よりお願い申し上げます。