特集2

ロゴ:おきなわクリニカルシミュレーションセンターおきなわクリニカルシミュレーションセンター(愛称:ちゅら Sim)

 2012 年3月 25日、本院の敷地内に、県内の医師をはじめとする全ての医療従事者が利用できる教育施設「おき なわクリニカルシミュレーションセンター(以下センター)」が開設しました。

写真:おきなわクリニカルシミュレーションセンター

「クリニカルシミュレーション」とは、医療の様々な現場(クリニカル)を模倣した環境を作り(シミュレーショ ン)、そこで体験から学ぶものです。模擬環境の中での訓練は、学習者の理解を深め、主体的で能動的な学びの姿勢 を引き出すのみではなく、個人の技術の向上やチーム連携を強化するため、安全な医療につながります。

センターは、3つの学習コンセプトゾーンを有しています。1つ目は基本的な医療技術を学ぶゾーン。ここでは 診察法や採血などの基本的な手技を学びます。2つ目は救命・救急医療を学ぶゾーン。ここには人間の生体反応を 再現できる高機能シミュレータを配備しており、単職種のみならず、多職種で連携したトレーニングも可能です。 3つ目は専門的な手技を学ぶゾーン。コンピュータ上のバーチャルリアリティー(仮想現実)画像を用いて様々な 専門的手技のトレーニングができます。まさに、最新鋭の設備です。

この設備を用い、医療系学生は、実習前の技術トレーニングや医療面接の練習等を実施しています。研修医は、 定期的に手技のトレーニングや症例を設定し、診断から治療までをシミュレーションを通して学ぶトレーニングを 行っています。また、上級医や専門医は、腹腔鏡手術・血管カテーテル・内視鏡などのシミュレータを利用した専 門的な技術トレーニングを行っています。さらに看護師は、病棟や外来での患者対応や急変対応など新人からべテ ランまでを対象としたトレーニングを行っています。その他薬剤師や検査技師、救命救急士といった多くの職種が、 センターを利用しています。我々センターのスタッフ一同は、この新しいシミュレーション教育の波が沖縄県全体 に広がり、沖縄が日本におけるシミュレーション教育のモデルとなれるよう、本院の方々はじめ、県内の医療者の 皆様のご支援を賜りながら進んでいきたいと思っています。

詳しい利用のご案内、センターの近況、そして施設見学のご案内などをホームページで紹介しています。ぜひ、ご覧ください。(http://okinawa-clinical-sim.org/

Kids sim!!

2013年8月1日、15日に、センターでKid’s Simが開催されました。この取組は、夏休み期間中に、小学校5・6年生を対象として、学校の授業を補完する目的で行われている体験型の学習です。

参加者約 30 名は、「食ベる」、「どきどきする」、「うまれる」、「いきをする」をテーマにした4つのブースで体について学びました。各ブースでは、医師や助産師により、学習指導要領にそった学習内容が提供され、参加者が生き生きと学習に取り組んでいる様子が印象的でした。