診療科の紹介 第三内科 心、腎、脳を診る内科です 山里 正演 第三内科 医局長

第三内科は「循環器」、「腎臓・高血圧」、「神経・脳卒中」の3つのグループで診療を行っています。専門とする臓器は心、腎、脳です。狭心症、心筋梗塞、不整脈、糸球体腎炎、ネフローゼ、腎不全、神経変性疾患、脳卒中などが代表的疾患です。3つのグループで診る疾患には共通した特徴があります。それは高血圧に代表される生活習慣病、その生活習慣病によって起こってくる血管の病気、動脈硬化を背景としている疾患が多いことです。そのため心、腎、脳の疾患が同時に合併し、問題になることも多々経験します。専門とする臓器は異なりますが、血管の病気を中心に診るという点で第三内科の3つのグループはつながっており、グループ間で連携して治療を行えるというメリットがあります。

さらに、特殊な治療も行っています。重症虚血肢(慢性閉塞性動脈硬化症またはバージャー病)に対し、末梢血幹細胞による血管再生治療を当院第二外科と協力して行っています。この治療法は先進医療として承認を受けています。また、慢性血栓塞栓性肺高血圧症に対するカテーテル治療、血液浄化療法部と協力して行っている在宅で行う腹膜透析療法、片側顔面痙攣や脳卒中後の痙縮に対するボツリヌス治療も始めています。さらに2013年7月に准教授として岩淵成志先生が赴任されました。日本でもトップクラスの心臓カテーテル治療経験と高度な技術を持たれた先生です。これまで本土でしか受けられなかった高度な心臓カテーテル治療が県内でも開始できるよう準備を進めています。

以上より、第三内科は血管を健全に保ち、心、腎、脳を守ることを目指し診療を行っています。これらの疾患でお困りの際には是非ご相談ください。

新任教員紹介

岩淵 成志 第三内科 准教授

2013年7月に赴任いたしました。専門は心臓カテーテル治療で、勤務した福山循環器病院、小倉記念病院で8,000例ほどの症例を経験しました。33才で第一術者になれたこと、18年在籍した小倉記念病院で2008年から主任部長として勤務していたことが多くの治療症例数につながったと思います。大屋教授より小倉記念病院へ医師を派遣していただいていましたので、琉大の心カテチーム医師のうち4人は小倉記念病院 経験者です。また、彼ら以外の医師、検査技師、ME、看護師などきわめて優秀でチーム医療に前向きに取り組んでおり、臨床医療レベルの高さを感じました。

最近の心臓カテーテル治療の進歩はめざましく、冠動脈、下肢動脈などの血管治療のみならず、大動脈弁、僧帽弁、心房中隔欠損などへのカテーテル治療が数多く臨床応用されています。特に2013年10月1日より保険償還された経カテーテル大動脈弁置換術は最近のトピックスです。小倉記念病院で臨床治験を経験しましたが、大動脈弁置換術の手術不能症例やハイリスク症例により低侵襲での治療が可能になるため期待されています。現時点で県内にこの治療の施設基準を満たす施設はありませんが、本院では今年春頃には申請できるのではないかと思っています。循環器疾患治療は今まで以上にチーム医療が重要です。今後は、第二外科國吉教授の主導されているハートチームに参加させていただき微力ながら全力を尽くす所存です。