琉球大学医学部附属病院 看護部長 下地 孝子
琉球大学医学部附属病院
看護部長

下地 孝子

患者さんから信頼される、
安心・安全な看護の提供を目指して

 本年度4月より看護部長に就任いたしました。病院の中で最大の人員を要する看護部門では、2008年に看護配置基準7対1を取得し、看護職員の増員を図ると共に、2010年には看護助手を増員して役割分担を推進することで看護師が本来の業務に専念できる環境を整えてまいりました。

 看護の仕事について、皆様はどのようなイメージを持っておられるのでしょうか。注射や点滴、採血をする人と思っていませんか? もちろんそれも、看護師の大切な仕事です。しかし、それは看護の仕事のほんの一部にすぎません。看護師は、患者さんの病気、入院の目的や治療内容などを確認した上で、心身ともに良好な状態で治療が受けられるよう療養生活をサポートいたします。具体的には、食事・清潔・感染予防・褥瘡予防・転倒予防などさまざまな視点で、患者さんお一人お一人の病状や日常生活の自立度と個別性を判断して、必要な看護を提供いたします。しかし、安全で安心な看護の提供は、患者さんやご家族の協力(参画)なくしてはうまくいきません。患者さん・ご家族の方も、「納得がいかない」「説明が難しくてわからない」「私にはその方法は合わない」等、疑問点があれば申し出ていただき、参画していただきますようお願いいたします。看護師は、患者さんの病状や治療に伴う様々な不安や苦痛について、一緒に考えサポートいたします。

 大学病院という特徴から、毎年多くの新人ナースが入職してまいります。新人の看護師は、最初は採血ひとつ満足にできず、一生懸命に仕事をこなそうと思うあまり、患者さんの思いや痛みに気付かず、ご迷惑をおかけしていることもあるでしょう。まだまだ行き届かない点もありますが、一人一人の看護師は、看護の仕事にやりがいを感じ、誇りを持ってケアを行っております。高い志を持って就職した新人看護師は、これからの沖縄県の地域の医療を支えるとても大切な存在です。彼らが一人前の看護師として成長できるよう応援していただけることを願ってやみません。

 また、看護職員の教育については、専門的な知識・技術の習得のみならず、外部講師による接遇教育にも、力を入れております。おかげ様で、患者さんやご家族の方から「琉大病院の看護師さんは他と違う。みんな丁寧に対応してくれる。」と感謝やねぎらいの言葉を頂く機会も多くなりました。これからも、患者さんから信頼される、安心・安全な看護の提供を目指して、職員一同努力してまいります。どうか皆様のご協力をよろしくお願いいたします。