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病理部のご紹介
病理部長(細胞病理学分野教授併任)加藤誠也

 生病老死、仏教では「人間が決して避けることのできない苦しみ」とされますが、一方、先人達からの英知は人の健康に関する多くの問題を解き明かし、今日、私達が享受している医療の基盤となっています。病理学は、読んで字のごとく「病気の理由を考える」学問であり、まさに医学の歴史とともに発展してきました。病理学を専攻する私達は、医学部では将来を担う若者達の教育や研究活動を担当していますが、同時に附属病院の中央診療部門の一つである病理部において皆さんの診療にも従事しています。
 病理医の業務の大部分は、顕微鏡をみて患者さんの病気を診断する仕事であり、組織診、細胞診、術中迅速検査、病理解剖が含まれます。たとえば、皆さんが胃カメラの検査を受けられた場合、組織の一部が顕微鏡検査にまわされると思いますが、その標本の診断、すなわち組織診を担当するのが病理医です。そして病理部では、そのような標本の作製や管理、診療システム上の様々な手続き、精度管理を担当しています。琉大病院では、関連協力分野である腫瘍病理学分野(吉見直己教授)、細胞病理学分野(小生)と齋尾征直副部長(准教授)をはじめとする病理部専任の医師を含め、現在6名の病理専門医・細胞診専門医を擁し、4名の臨床検査技師と協力して業務を行っています。細胞診では、尿や分泌物、あるいは注射器を用いるなど、通常の組織診よりも傷口の小さい方法で病気の部分の細胞を採取して診断します。また術中迅速検査では、手術中に切除の範囲や方法を決定するために短い時間で診断結果を報告しなくてはなりませんので、特別な方法で凍結標本を作製しています。病理解剖が、一つの還らぬ生命を次の人の生につなげる尊い手段である事は言うまでもありません。
 病理医や病理部の職員は、普段、あまり患者さんの前に現れませんので、病院の中でもあまりなじみのない部門かもしれません。むしろ病理医は、各診療科の医師を相手に仕事をすることの多い立場でもありDoctor of Doctors(ドクター オブ ドクターズ:お医者さんのお医者さん)と呼ばれてきました。その呼び名の中には生命現象や医学に対する謙虚な気持ちも込められているようにも思います。私達は、正確な病理診断、組織情報を提供し、主治医に存分に力を発揮してもらい、ひいては患者さんひとりひとりにベストな医療を受けて頂けるよう日々、努力しています。病理医や病理部の業務について御存知頂ければ幸いです。

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