琉大病院HOTLINE
第 43 号

平成22年02月28日
発行
附属病院広報委員会

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琉球大学医学部附属病院長 看護部長 川満幸子 患者参画型看護への取り組み〜安心と安全が効果的に提供できるために〜

 近年、個人の価値観が尊重されるようになり、一人ひとりが必要な情報を自ら集め、きちんと理解し、しっかり判断することが必要になっています。しかし、高度に専門化の進んだ医療分野においては、一般の人々が自分で正しく理解して的確に判断を下すことは容易でありません。このような観点が、医療法改正により、患者さんへの医療に関する情報提供が推進されるようになりました。医療者には、病状や治療法・ケアなどについて十分な説明を行う責任と患者さんがよく理解できるように工夫する努力が求められ、また、患者さんにはそのことを理解し納得した上で自らふさわしい医療を選択することが望まれます。医療の安心と安全は、こうした相互の情報が共有され、互いの信頼が形成されることによって達成されるものと考えます。
 本院看護部では、医療に関する情報提供を求める情勢に対応するために数年前から「患者参画型看護」に取り組んでいます。「患者参画型看護」とは、患者さんと看護師が互いの情報を共有し、合意に基づき看護の全過程(目標・計画・実践・評価)を共に進めていくことを言います。具体的には、患者さんの意向を踏まえた目標や看護計画を立て、個別性を考慮したケアを実践し、計画の調整や評価を一緒に行います。その際、理解しやすい言葉で表現した紙面や表を用いてベッドサイドに提示するなど各病棟で創意工夫が行われております。また、ベッドサイドで患者さんを交えて行う申し送りの形態を導入しています。そこで症状の変化や不安・困った事などを確認し、患者さんのご要望やご意見を伺いながら1日の予定(検査や看護ケア)の説明を行います。同時にベッドサイドの安全確認が複数の視点で行われます。特に「転倒・転落予防」や「療養環境の整備」「医療機器の設定」等は、シートを用いてチェックを行い、患者さんやご家族にも安全確認が可視化できるようにしています。さらに、「患者参画型看護」における各看護師の役割を明確にし、患者さんの目標達成をチームで支援する体制を強化しております。平成21年度は、各部署が「患者参画型看護」の要となる受持ち看護師の役割が発揮できるよう様々な取り組みが行われ、「看護師の交代時の挨拶や病室での対応に感謝している」との患者さんからの声も寄せられました。
 以上のように「患者参画型看護」は、患者さんやご家族が参画することで個別性が生かされ、また、相互の情報の共有がより安心で安全な看護の提供に繋がることを目指しております。今後も患者さんが健康問題に主体的に取組めるよう、一緒になって考え共に協力し合える関係性を大事にして、皆様から信頼される質の高い看護の提供になお一層努力して参ります。どうか「患者参画型看護」に皆様のご協力をお願い申し上げます。

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