琉大病院HOTLINE
| HOME| INDEX |
| 1page | 2page | 3page | 4page | 5page |6page |外来診療日割表 | 8page |
放射線部からのお知らせ

村山 貞之先生320列CTが導入されました。 今年より、本院放射線部に導入されたCTのことを説明したいと思います。CTはX線を使って体の輪切りの像が得られる機械ですが、ドーナッツ状の機械にはディテクターと呼ばれるX線検出器が多数並んでいます。これが一列ではなく奥行きに多列になると撮影時間が短くてすみます。この機械のことをマルチスライスCT(MDCT)と呼んでおり、最近では、どの病院もこのMDCTが入っています。琉大病院には今まで64列のMDCTがありましたが、それに加えて320列のMDCTがこの3月から導入されました(写真)。九州以南では2台目です。導入された320列のCTこの機械を用いると16cmの幅では寝台移動することなく、0.5秒で撮影することができます。心臓の1心拍より短い時間です。特に心臓や脳の診断に威力を発揮しています。また、CTでありながらアニメのように動画像も撮影できますし、色々な新しい診断法が模索されつつありますので、期待して下さい。

新教授のご紹介

石内 勝吾先生ヒトの脳は多様性に富み、それゆえ未解決の問題の宝庫です。 平成21年6月1日付けで、群馬大学から琉球大学医学部脳神経外科学講座に着任しました。皆様どうぞよろしくお願い申し上げます。赴任後、慌しく1ヶ月が過ぎました。自分が働いている研究室や病棟また医学部附属病院の手術室のどこからもエメラルドグリーンの海が見えることに最近気づきました。沖縄の海は関東の海のように潮のにおいがしないので判りませんでした。前任地群馬県の前橋は海なし県であり、沖縄の豊かな自然に魅力を感じています。
 沖縄は琉球王国という独自の文化の栄えた土地であり、その精神の本質を学びたいと思います。とりわけ高齢者の前向きの姿勢には驚かされました。沖縄に来て週2例ずつ関連病院から紹介された患者さんの手術を行っていますが中には80歳をすぎた方もいて脳外科の手術の適応年齢は、本土の高齢者より10-15歳高いのではないでしょうか。
 最近の神経科学の研究で、ヒトの脳細胞は一生涯に渡り神経新生を行い老後も脳は進化していることが判明しました。沖縄の高齢者を見るとまさにそれを証明していると思われる方がいて興味深く感じています。
 私の専門は脳神経外科学の主要疾患である脳腫瘍です。脳腫瘍の中でとりわけ悪性の神経膠芽腫は現行の治療では5年生存を得られず革新的な治療法の開発が望まれています。重粒子線や分子標的療法などの臨床治験が今後活発になると思われます。とりわけ神経膠芽腫は「がんの中のがん」といわれる疾患ですのでこの病気に対する治療法の開発はすべてのがん治療に大きなインパクトを与えるはずです。我々はこの課題を解決すべく、研究中です。
 ヒトの脳は多様性に富み、それゆえ未解決の問題の宝庫です。やりがいのある分野です。脳神経外科は神経科学の一分野でありとりわけ脳科学の魅力を若者に伝えることで脳神経外科学の発展に貢献するような人材が出てくることを期待しています。

| HOME| INDEX |
| 1page | 2page | 3page | 4page | 5page |6page |外来診療日割表 | 8page |