典型例では、咳、痰、発熱、寒け、息苦しさ、胸の痛みなどがおこってきます。膿のような色のついた粘りのある痰を認めます。非定型肺炎においては、咳が頑固であることが多く、細菌性肺炎とちがって膿のような痰を認めることはあまりありません。
胸部X線写真で陰影を認めること(図1)が、肺炎の診断の最大の根拠となります。血液検査をすると通常、白血球が増加して、炎症があることを示す反応も強く現れます。治療法として、細菌性肺炎には、ペニシリン系やセフェム系といった抗生物質が使われます。マイコプラズマやクラミジアによる非定型肺炎では、マクロライド系やテトラサイクリン系の薬が使われます。
肺炎の予防には、日常生活での感染予防と、ワクチン接種の2つの方法があります。インフルエンザ流行時は人ごみへの外出は避けるか、マスクをするなどの予防が必要です。インフルエンザワクチンは、続発する肺炎の予防に有効であり、また肺炎球菌ワクチンの接種により肺炎球菌肺炎を予防できます。 |
市中肺炎で最も頻度の高い肺炎で、右肺に白く見える浸潤影が出現している。肺炎の診断には胸部X線写真が必須である。
琉球大学医学部の中庭を表紙にした肺炎に関する本が全国の医師に活用されています。
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