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第三内科・渡嘉敷崇先生 もの忘れについて
「もの忘れ」は病気ですか?

 一般にいう「もの忘れ」とは、人や物の名前がとっさに出なくなったり、物の置き忘れが目立ってきたりしたことをいいます。ただし、これらの多くは何らかのヒントやきっかけで思い出すことができるもので、いわゆる加齢に伴う「生理的な現象(良性健忘)」といわれるものです。この状態は病気としてとらえるより、加齢現象と考えられ、時間的な経過でも極端にもの忘れが進行することはあまりありません。一方、家族で旅行に行った、親戚の結婚式に出席したなどの出来事そのものを忘れてしまったり,今朝の食事の内容あるいは食べたこと自体を全く思い出せないなどのもの忘れは「認知症」と呼ばれる病的な状態である可能性があります。「認知症」には、甲状腺機能異常やビタミン欠乏症あるいは脳炎、脳腫瘍などが原因で起こる治療が可能な認知症と、アルツハイマー病や脳血管障害後遺症に伴う認知症など根本的な治療が困難なものに分類されます。

もの忘れについて

認知症の治療は?

 上に述べたような治療可能な認知症はその原因となっている病気の治療を行います。アルツハイマー病の場合は現在のところ根本的な治療はありませんが、病気の進行を抑えたり、症状を改善するお薬がありますのでできるだけ早期に内服を始めます。また、認知症に伴う不穏・徘徊や不眠等の周辺症状に対する治療を行っていきます。  「認知症」は、早期に発見し、適切な治療・対応が非常に重要ですので、もの忘れが気になる場合には早めに専門医の受診をお勧めします。

認知症患者に対する家族の対応は?

 基本的に「認知症」は、今まで可能だったことができなくなる状態です。「理解できない」「忘れてしまう」ということは病気としてとらえるべきなので、「できない」ことを責める・否定するのは良くありません。その患者さんがおかれている状況を理解し、受容的な態度で接する必要があります。

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