当循環器科は不整脈疾患（脈の異常）、虚血性心疾患（冠動脈の異常）、慢性心不全（心臓のポンプ機能の異常）の３つの治療部門で構成されております。当科の特殊性として、現在ではほとんどの総合病院で施行されるようになった経皮的冠動脈形成術（いわゆる風船治療）以外に年間約150件の経皮的心筋焼灼術および電気生理学的検査と約50件の特殊ペースメーカー挿入術を施行していることが挙げられます。経皮的心筋焼灼術（別名、高周波カテーテルアブレーション）とは頻脈性不整脈の根治手術のことです。13年間に計2千例以上の上室性頻拍症および特発性心室性頻拍症の98%で根治に成功しております。
　また現在は“不治の病”とされてきた心房細動や心筋梗塞後の致死的不整脈などでも３次元マッピングシステムを使用したテーラーメイド治療を行っております。前述した特殊ペースメーカーとは突然死予防のためのペースメーカー治療である植え込み型除細動器と慢性心不全のためのペースメーカー治療である心室再同期療法のことです。患者様のなかには救命のため経皮的心筋焼灼術、植え込み型除細動器、心室再同期療法のいずれかの治療を必要とする場合があり、当科では県内の基幹病院からの緊急搬送も積極的に受け入れております。また新しい治療法の開発のため2000年から現在まで国際共同研究も継続しており、今後も質の高い最新医療を提供できるよう日々努力して参ります。