琉大病院HOTLINE
第 35 号

平成19年10月10日
発行
琉球大学医学部
附属病院広報委員会

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滝下修一病院長 沖縄県のがん診療の質向上を目指して
 琉球大学医学部附属病院長 瀧下修一(たきしたしゅういち)

 ご存知のように、わが国の死因の第一位は悪性新生物(いわゆる“がん”)です。沖縄県のがん死亡率は全国に比べて低いのですが、これは胃がんによる死亡が極端に少ないことが影響しています。他のがんはそれほど低くはありませんし、肺がんは最悪です。さらに、肺がん、大腸がん、肝臓がん、乳がんや白血病などは増える傾向にあります。
 政府は、がん診療のレベルを上げるために「がん診療連携拠点病院」の整備を都道府県単位で進めています。沖縄県でもすでに地域の拠点病院として3施設が指定されましたが、県は本年度中に、沖縄県の中心的ながん診療機能をもち地域拠点病院を支援する沖縄県がん診療連携拠点病院として、琉大病院を厚生労働省に推薦することになっています。
 本院では、手術による治療はもちろん、放射線療法と抗がん剤による化学療法も専門的に行って来ましたが、今後とも個々の治療法の改善、適切な組み合わせによって治療成績の向上を図ります。同時に、患者様の苦痛の軽減と生活の質を高める緩和ケアを推進して行きます。そのために、院内にがんセンターを設置し、専任スタッフの統括のもとに複数の診療科・医療チームがお互いに協力して質の高い治療とケアできるようにします。また、外来での化学療法を拡充するために、化学療法室のベッドを4床から8床に増やしました。院内がんセンターはこのほかに、がんに関する医療情報を登録し、治療の評価や、県や国のがん対策の基礎となるデータの提供ができるようにします。さらに、地域拠点病院や他の医療機関との連携、研修指導なども重要な仕事になります。
 患者様とご家族に対しては、がんの診断、治療などに関する相談に応える「がん相談支援室」を設け、現在あるセカンドオピニオン外来とともに、信頼していただける体制にします。また、がん予防の立場から、病院敷地内の全面禁煙をこの10月1日より実施していますのでご理解ください。
 以上のように、県内唯一の特定機能病院である本院は、がん診療の中心的施設として他院との連携を深め、沖縄県のがん診療の質向上を目指しています。皆様のご支援をお願いいたします。

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