琉大病院HOTLINE
第 32 号

平成19年1月11日
発行
琉球大学医学部
附属病院広報委員会

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西巻正 安全で質の高い手術と 優秀な臨床医を育てるために
 琉球大学医学部附属病院 病院長補佐 太田孝男

  平成18年4月から病院長補佐を務めています太田です。古謝前病院長の時代に副病院長を務めましたので、2年ぶりの病院執行部入りになりますがよろしくお願いいたします。現在診療委員長として診療部門を担当していますので、本稿では琉大病院の診療体制、特に診療支援体制について紹介します。

 琉大病院は県内唯一の特定機能病院という性格上、高度の医療を必要とする患者様や複数の疾患や合併症を合わせ持つ患者様が入院しています。このような患者様にとっては病気の治療のみならず、入院中のQOL(※1)を改善するための様々な診療サポ−トが必要になります。しかし、大学病院ではこれまで病気の治療を中心とし、入院中の患者様のQOLの改善については民間病院に比べ対応が遅れていたように思います。大学の法人化を契機にして全国の国立大学病院で診療支援体制の強化が始まっています。琉大病院では以前から褥瘡対策チームや感染対策室を設置し、入院患者様の褥瘡(※2)発生予防及び院内感染予防に努め効果を上げてきました。今年度からは新たに栄養サポ−トチームと緩和ケアチ−ムを正式に発足させています。栄養状態の改善や悪化防止は病気の治療効果をあげるためにも重要であり、これからの活躍が期待されています。また緩和ケアチームはがん診断時からの肉体的及び精神的な苦痛の緩和を目的としており、専門医師及び看護師からなるチームで診療科横断的に対応していきます。更に、入退院の管理や外来診療予約を担当する部門として地域連携室の設置も現在検討中であり、今後も更なる診療支援体制の充実を図っていく予定です。診療面でのニュースとして、平成18年10月12日付けで非血縁者間骨髄採取施設としての認定を骨髄移植財団から受けました。これまで、骨髄提供者は県外の病院まで出かけていましたが、今後は琉大病院での骨髄採取が可能になりました。琉大病院では小児科と第2内科に無菌病床が設置されており、積極的に骨髄移植に取り組んでいます。

 最後に、大学病院は一般病院と異なり、診療の他に教育・研究を行う義務もあります。診療体制の整備と共に臨床研究を活発化させ、琉大病院から多くの情報を発信できるよう頑張っていきたいと思います。

※1:QOL(Quality Of Life クオリティー・オブ・ライフ):生活の質。生命の質。
※2:褥瘡(じょくそう):長く病気で床についていて、床にあたる体の部分がすれてただれること。
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