琉大病院HOTLINE
第 28 号

平成18年1月10日
発行
琉球大学医学部
附属病院広報委員会

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image 琉大病院における医療の 安全確保について
 琉球大学医学部附属病院長 瀧下 修一

 新年明けましておめでとうございます。今年が皆様にとって良い年になりますよう心からお祈り申し上げます。
 琉大病院は法人化によって、県内の他の病院が行っておられる経営の改善を国から課せられました。そしてこの2年近く、親方日の丸意識を脱皮し病院経営の改善、医療の質と効率の向上に努めて参りました。このような状況の中で一層強化しなければならないのが医療の安全の確保です。これは年頭の目標ということではなく、永遠に課せられたものと考えています。
 医療において事故防止は必須の事ですし、皆様の権利ともいえます。一方、人は誤りをおかすものであるといわれています。ついうっかり見落とした、勘違いなどはどんな人にも起こりうることです。また、医療は種々の疾患や身体状況の違う患者様に対して、種々の検査、薬、注射や手術などの身体の負担を伴う行為を行ってサービスを提供していますので、他の分野と違って不確実性がともないます。したがって、どの病院においても医療事故をなくすことはできず、「事故は起こりうるもの」として、対策は起こる危険性(リスク)をいかに小さくするかに掛かっています。
 本院では、事故が起こってからの対策ではなく、安全管理対策室を中心に前向きに安全の確保に努めています。関係職員は事故に到らない“ヒヤリとした、ハッとした”事例を含めてインシデント報告を自発的に提出し、それを安全管理対策室、分析者会議、医療安全管理委員会で検討しています。医療事故や事故に到らなかった事例において、エラーをおかした(おかしそうになった)のは人であっても、エラーをおかしやすくした、あるいは防ぎ得なかった要因を分析し改善を図るとともに、各部署のリスクマネージャーと各種委員会を通じて職員に周知しています。また、職員教育によって注意力、リスクの予知能力の向上、それによる改善を行い、さらに、病棟間、国立大学附属病院間などの相互チェックや研修会への出席によって他者の眼からの安全確保も取り入れています。
 安全の確保は事故が起こらないだけではなく、安心して医療を受けて頂くようにすることと考えています。皆様からの安全に関する不安や危険性のご指摘・質問、患者様の氏名の確認や転倒・転落防止に関するご協力なども強い味方となります。どうか安全確保に皆様のご参加、ご協力をお願い申し上げます。
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