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薬事法が改正され、平成15年7月30日(水)より、特定生物由来製品(血漿分画製剤)に関する改正薬事法が施行されました。
改正薬2条第6項により血漿分画製剤の使用に当たって、製品の便益と感染リスクを患者へ説明し同意を取ることになりました。患者様の氏名。住所等の記録を20年間保管するように決められました。
当院で使用している血漿分画製剤は(1)アルブミン製剤(2)免疫グロブリン製剤(3)凝固因子製剤または凝固因子様製剤(4)アンチトロンビン3濃縮製剤(血液凝固阻止剤)を在庫して適正使用しています。
血漿分画製剤の危険性としまして、製造過程でウイルスの除去などを実施し、輸血に比べ肝炎ウイルスなどの感染の危険性は減少していますが、ヒトの血液から作られていますので、未知の病原体による感染の危険性はゼロではありません。また、現在の技術では除去できないパルボウイルスなどの感染の危険もあります。さらに、稀に血圧低下などのショック状態を起こしたり、発熱、蕁麻疹などの過敏症を起こすことがあります。これらの異常の発生は、製品の使用直後に限らず、長期間経過した後に現れる可能性があるので注意が必要です。そのため、血漿分画製剤の使用をなるべく避けるために、当院では、他の薬剤などで治療可能な場合は、血漿分画製剤の使用をしないようにしています。そのうえ、必要な場合も、最小限の使用に留めるよう努めています。輸血に比べ血漿分画製剤は製造の過程でウイルス感性等の危険性が減少していますので、輸血をなるべく避けるためにも血漿分画製剤を使用する場合があります。
将来医学の進歩により、血漿分画製剤うを使用したことにより、何か不適切な事が起これば、事実を明白にするために、履歴をとっておくと、それに対する対応が速やかにとれ、また、不要の心配をしなくてよいための法律です。だから、患者様の氏名、住所が必要に成ってきたものと思われます。その上、20年間の記録の保管義務も負わされ、より安全な血漿分画製剤の使用が求められ、面倒ですが、よりよい方向に向かっているものと思います。
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