新救急部長ご紹介
この度、救急部長になりました久木田 一朗(くきた いちろう)と申します。私は、昭和30年、隣県の鹿児島県に生まれました。地元の高校を卒業後、熊本大学医学部に入学、病理学系の教室での研究を経て、麻酔学教室、救急・集中治療部で学んで来ました。昨年7月より当院麻酔科助教授として勤務することになりましたが、今年設置されました救急医学講座という新しい講座の教授に任ぜられ、救急部長を担当することになりました。
救急医学というと何科ですか?と思われるかもしれませんが、医療の中での救急医療の重要さは皆様おわかりと思います。これまでの科には属さず、病院のなかの救急部に専従し、救急の患者様を治療し、救急を専門とする医師を養成し、救急に関係する研究を進める講座が救急医学です。救急医学が得意とする分野は、心肺停止、ショック、多発外傷、中毒、災害医療、救急医療システムなどです。私自身も重症患者の全身管理、体外式心肺補助装置を用いた生命維持法等を専門としています。
大学病院は難病などに対する高度な先進医療を提供するのみならず、地域の救急医療、高度の救命救急医療にも貢献するよう努めております。どの診療科に於いても急を要し、高度に専門性を必要とする病気やけがはあります。そのため、救急部は全科の協力のもとに運営される病院の中央診療部門として、救急患者の外来治療や入院治療を担当し、より専門的治療が必要な場合の他科への紹介窓口としても機能します。救急部の診療が患者様、ご家族に信頼され、満足していただけることが我々の使命です。
平成16年度に導入が予定されている新卒後臨床研修制度では、研修医は救急部門(麻酔科を含む)にローテートすることが必須となる予定です。
麻酔科は呼吸、循環と生命維持に直結した全身管理を日常的におこなっており、救急医もそれらに熟練する必要があります。救急部は専従教官数等に限りがありますが、これまでもありました各診療科との協力を強めて十分な研修体制を作っていきたいと思います。一方、充実した診療科を持つ大学病院の機能を救急医療にもっと発揮できるよう救急部として協力していきます。
救急医療に関しては、病院前救護体制の重要さも言われております。一般市民の皆様による心肺蘇生法の実施、救急隊、救急救命士による救命のための処置、医療機関選択、救急搬送など病院前救護は、危機的患者様の命をつなぎ止める救命の鎖です。救急部は救急隊への指導、助言等を通じて、病院前救護にも貢献することが求められています。
救急部に求められることは多く、たいへんやり甲斐のある部門です。救急部を地域、県民の皆様が安心できる重症救急医療の砦としてご活用いただきたいと思いますとともに、今後とも附属病院職員の皆様のご協力をお願い致します。
(救急部長 久木田一朗)
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