ラオス国セタティラート病院改善プロジェクト
運営指導(中間評価)に参加して
この度、セタティラート病院の中間評価調査派遣団の団長として、ラオス国ビエンチャン市を6月29日から
7月7日までの日程で訪問致しました。調査団は私と成富研二教授(医学部附属沖縄アジア研究センター長)、
杉谷奈緒子(JICA職員)および井田光泰氏 (アイ・シー・ネット株式会社職員)の4名で構成されました。
ご承知のようにこのセタティラート病院改善プロジェクトは、国際協力事業団の援助のもとに我が琉球大学医
学部が中心となって、1999年10月から2004年9月までの5年間にわたって支援するものであります。
6月30日ビエンチャン到着当日から、早速調査団の業務が開始されました。到着午後には、セタティラート病
院にて奥田佳朗名誉教授(現在本プロジェクトチーフアドバイザー) をはじめ日本側長期派遣団の皆様から、
新病院の開設(2001年2月)から現在までの診療業務内容の経過の概要の説明があり、セタティラート病院改
善プロジェクトが着実に実績を重ねていることが推察されました。以後の日程には、ラオス国保健省、ビエン
チャン特別市保健局、日本大使館、JICA事務所への表敬訪問、ラオス国におけるセタティラート病院以外の2
つの総合病院(マホソット病院、友好病院)の視察、セタティラート病院の管轄紹介病院であるサイタニー郡
病院視察等が含まれ、ラオスにおける医療現場の理解に大いに役立ちました。これらの視察およびセタティラ
ート病院の院内各部署(医事課、外来部門、救急外来、ICU、薬局、検査部、放射線部、内視鏡部、手術室、
厨房、維持管理部門)の見学を背景にセタティラート病院の中間評価を行いました。
滞在最終日の7月5日にラオス保健省大臣ポンメック・ダロダイと橋本ラオス日本大使立ち会いのもとに、中
間評価の書類に署名して無事任務を終了致しました。以下本セタティラート病院プロジェクトの現況と実績お
よび問題点の要点を記します。
- 病院支援プロジェクトは着実に進められており、外来患者数、病床稼働率、手術件数の増加等現時点まで の進捗状況は良好である。
- セタティラート病院はラオスの3大総合病院の一つとして認知され、国保健省、市保健局の今後のセタテ ィラート病院の卒後研修施設、大学病院として充実、発展に対する期待は大である。
- 琉球大学医学部からのこれまでの医師、検査技士、看護師、薬剤師の派遣はセタティラート病院における 医療知識・技術の向上に著しく貢献しており、今後とも継続的な支援が望まれる。
- 他の総合病院との住み分けからセタティラート病院の今後の重点支援部門は内科、外科、小児科、産婦人 科、検査部門であり、特に周産期医療に携わる小児科、産婦人科指導医師派遣の要望が強かった。
- 検査部門に対する他の総合病院からの評価は高く、今後セタティラート病院への継続的な技師の派遣は重 要であると考えられた。
- セタティラート病院における現在の看護は24時間勤務体制であるが、今後救急外来、ICU、周産期医療
を充実させるためには、12時間体制への速やかな移行が必要である。
セタティラート病院
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奥田佳朗プロジェクトチーフ
アドバイザーと共に
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