平成14年7月30日

     University Hospital University of the Ryukyus          

琉大病院 HOTLINE 第21号

琉球大学医学部附属病院の患者様・職員のための情報誌

 

 

ラオス国セタティラート病院改善プロジェクト
運営指導(中間評価)に参加して

 この度、セタティラート病院の中間評価調査派遣団の団長として、ラオス国ビエンチャン市を6月29日から 7月7日までの日程で訪問致しました。調査団は私と成富研二教授(医学部附属沖縄アジア研究センター長)、 杉谷奈緒子(JICA職員)および井田光泰氏 (アイ・シー・ネット株式会社職員)の4名で構成されました。 ご承知のようにこのセタティラート病院改善プロジェクトは、国際協力事業団の援助のもとに我が琉球大学医 学部が中心となって、1999年10月から2004年9月までの5年間にわたって支援するものであります。 6月30日ビエンチャン到着当日から、早速調査団の業務が開始されました。到着午後には、セタティラート病 院にて奥田佳朗名誉教授(現在本プロジェクトチーフアドバイザー) をはじめ日本側長期派遣団の皆様から、 新病院の開設(2001年2月)から現在までの診療業務内容の経過の概要の説明があり、セタティラート病院改 善プロジェクトが着実に実績を重ねていることが推察されました。以後の日程には、ラオス国保健省、ビエン チャン特別市保健局、日本大使館、JICA事務所への表敬訪問、ラオス国におけるセタティラート病院以外の2 つの総合病院(マホソット病院、友好病院)の視察、セタティラート病院の管轄紹介病院であるサイタニー郡 病院視察等が含まれ、ラオスにおける医療現場の理解に大いに役立ちました。これらの視察およびセタティラ ート病院の院内各部署(医事課、外来部門、救急外来、ICU、薬局、検査部、放射線部、内視鏡部、手術室、 厨房、維持管理部門)の見学を背景にセタティラート病院の中間評価を行いました。  滞在最終日の7月5日にラオス保健省大臣ポンメック・ダロダイと橋本ラオス日本大使立ち会いのもとに、中 間評価の書類に署名して無事任務を終了致しました。以下本セタティラート病院プロジェクトの現況と実績お よび問題点の要点を記します。

  1. 病院支援プロジェクトは着実に進められており、外来患者数、病床稼働率、手術件数の増加等現時点まで の進捗状況は良好である。

  2. セタティラート病院はラオスの3大総合病院の一つとして認知され、国保健省、市保健局の今後のセタテ ィラート病院の卒後研修施設、大学病院として充実、発展に対する期待は大である。

  3. 琉球大学医学部からのこれまでの医師、検査技士、看護師、薬剤師の派遣はセタティラート病院における 医療知識・技術の向上に著しく貢献しており、今後とも継続的な支援が望まれる。

  4. 他の総合病院との住み分けからセタティラート病院の今後の重点支援部門は内科、外科、小児科、産婦人 科、検査部門であり、特に周産期医療に携わる小児科、産婦人科指導医師派遣の要望が強かった。

  5. 検査部門に対する他の総合病院からの評価は高く、今後セタティラート病院への継続的な技師の派遣は重 要であると考えられた。

  6. セタティラート病院における現在の看護は24時間勤務体制であるが、今後救急外来、ICU、周産期医療 を充実させるためには、12時間体制への速やかな移行が必要である。

(病院長 古謝景春)

 

セタティラート病院
セタティラート病院
奥田佳朗プロジェクトチーフアドバイザーと共に
奥田佳朗プロジェクトチーフ
アドバイザーと共に



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