禁煙から6ヵ月が過ぎた 大城宗明(63歳)

 

これまでの私と喫煙歴

 大学に入ってすぐに喫煙していた。講義が終わり喫茶店での仲間との語らいが何よりの楽しみだった私は、すぐに1日40本のスモーカーとなった。以来今日まで実に40年余りタバコなしでは生活できないでいた。タバコのことで夫婦喧嘩もした。あきらめた家内は、週に一度はスーパーで2カートン(20箱)を買って置くようになり、タバコを買うことを忘れたことはなかった。家内や家族から禁煙するよう懇願されることも幾度かあった。夜中に咳がよく出た。喉がカサカサになり、のど飴をよく持ち歩くようにもなった。もう禁煙しようと思ったことは幾度かあった。2.3日、長くて4日程度の禁煙は何回もある。
禁煙が続かなかった理由を考える
 ばかばかしい話だが、昔はヘビースモーカーになればなるほど自慢する傾向があった。「俺は一日、何箱吸うぞ」とよく聞いたし、言ってきたような気がする。でもどんな愛煙家といえども「もう禁煙しよう」とか、3〜4日の禁煙は必ずあり「私はこれで会社辞めました」のコマーシャルがはやっていた時代にトライした方は多かった。私もその一人であったが、どうしても続かなかった。私の場合について考えると(反省してみると)およそ次のようであった気がする。
1.喫煙をやめる理由、動機が希薄(?)である。「身体に悪いから」という理由付けは、決して単純でも希薄な動機でもないのだが、あまりに多く聞かされ続けてきたことであるしまた何より自己中心的な動機であるがゆえに、いつでもどこでも変更可能だということ。簡単に頓挫しやすいように思う。
2.周辺にヘビースモーカーが多く、決意をそぐ環境にあったこと。また、最も身近に生活をともにする父が15.6歳から90歳近くまで喫煙しつづけたことで喫煙に寿命は関係ないという妙な自信があったこと。
3.禁煙できない最大の理由は、仕事に熱中し、ほっとしたときの一服の安らぎ、また、無人島での岩場で釣りの仕掛けを投げ終わり、火をつけ、深く吸い込むタバコのうまさは、ただ喫煙の悪習慣というだけでは片付けられなかった。私の生き方(満足、幸福感)の問題にまで高まっているような気がする。だから「何で今更、禁煙してどうするのだ。」と喫煙を弁解し、正当化していた。

琉大禁煙外来と禁煙のきっかけ

 琉大に総合診療科があり禁煙外来があると知ったのは偶然だった。高血圧の治療と指導を受ける妻の付き合いで、Dr.武田を訪ねるようになったのは7月中旬だった。待合ロビーでニコチンパッチのポスターを見て、家内がDr.に渡りをつけたのが始まりである。
 すぐに診療室に呼ばれ指導とカウンセリングを受け、さて、ニコチンパッチを貰い今日から禁煙開始と思っていたら、来週からだという。さすがプロのDr.である。いい加減な気持ちや動機はすぐに頓挫することを見通している。「来週、決意を新たに出直してこい」といわれた。次の面接までに反省を交えて考えたのが前記のとおりであり、これから述べる動機である。

禁煙の動機づけと決意

1.主流煙に比べ副流煙の害の大きさを考え、自分以外の人のために禁煙する。定年退職後、家内と二人だけで過ごすことが多くなった。時あたかもクーラーをかけ始めの7月中旬副流煙が家内の高血圧に一役買っているという認識と、喫煙のたびに外に出る煩わしさから開放されたかった。
2.これまで、自発的な禁煙はことごとく失敗している。武田先生のカウンセリングを受け、人の助けを借りてみようと思った。ニコチン中毒はニコチンパッチで除去できるが、喫煙の生活習慣は武田先生にお世話になるしかない。人はお世話になっている人の期待を裏切ることはいやだし、相当なプレッシャーとなるはずである。まして武田先生は家内の主治医である。またとないチャンスであった。「あまり堅くならずに気楽にいきましょう」「失敗したらまたやり直せば良い」とおっしゃったので、「それでは家内のために禁煙します」と決意を述べ禁煙開始の宣言となった。

完全にタバコをやめて6ヵ月後の感想

 もう2〜3年禁煙している感じである。仕事の後にほっとしたとき、タバコが頭の中をよぎる。今の感想はというと、
1.見知らぬ人が隣でプカプカ喫煙されると臭いがきつくて、蹴っ飛ばしたくなる。俺も吸いたいとは決して思わないが一息ついてホッとしたとき吸いたい気分になる。習慣は怖い。
2.すごく体調が良い。体からニコチンが完全に無くなり、中毒から脱却したと実感できる。以前は朝起きざまに5〜6本吸っていたが、今はそのような要求がない。
3.部屋がきれいになった。タバコの臭い、灰が無くなった。喫煙者は100%見抜けるほどにタバコの臭いが気になる。灰皿がこんなに臭いとは…4.釣り仲間が気をつかって、車外で喫煙する。風下で隠れて喫
煙する。心遣いがうれしい。
5.琉大病院、「禁煙外来科」 の看板プレートをかけるべし。

 終わりに武田先生はじめスタッフの皆さんの励ましに感謝いたします。

卒業証明書   p-07-02


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