新教授のご紹介

 

 横浜市立大学より12月1日付けで琉球大学医学部臨床薬理学講座教授に就任致しました植田です。臨床薬理というのは言葉にすると何やら難しそうですが実際は薬の安全で効果的な処方を考えるという事です。私自身は前任地では内科医として働いてきましたが、広い意味で内科そのものであると言えます。循環器や、呼吸器、消化器等のように、ある病気を専門に診る専門医が必要な一方で、当院のように総合内科医として患者さんのいろいろな訴えから正しく診断、評価し適切に専門医へコンサルテーションを行う医師も必要です。理想的には臨床薬理はいわば治療の総合内科、総合診療科として機能しなければならないと思います。特殊な状態の患者さんやたくさんの薬をのんでおられる患者さんにおいて、どの薬をどれくらい、どのように処方すれば良いかなどお役にたてるところはあると考えています。日本の国立大学にはいくつか臨床薬理学講座があるものの、まだ歴史が新しく、内科医としての経験を有する臨床薬理医がこのような仕事を専門的におこなっている大学病院はわずかです。総合内科、診療科も日本ではまだまだ誤解されているところが多いと思いますが、臨床薬理は誤解も何も認識さえされていないところがありますのでこれから頑張らなければなりません。
 最近証拠に基づいた医療(EvidenceBased Medicine,EBM)という事がよく言われます。残念ながら我が国はそのための臨床試験の実施が困難であり、多くは欧米人の成績を参考にせざるを得ません。しかし、いろいろな方の努力により近年臨床試験の必要性が日本にもようやく浸透しはじめ、社会的にも受け入れられつつあります。製薬会社主導の薬の開発のための臨床治験ではなく、臨床医主導の、結果を実際に診療の現場で利用できる臨床試験を適切に行う事も大学附属病院の大切な使命の一つだと思います。臨床薬理学はそこに例えば適切な代替エンドポイントの提供等貢献する事ができます。EBMは集団として、ある薬がある病気、病態に有効であるかどうかには答えてくれますが、その先の、一人の患者さんに何が最善であるかについては答えてくれません。患者さんの薬への反応は、たとえ同じ診断をうけても、ひとりひとり違います。個人差が何から生じているか次に考えなければいけません。何故この薬の副作用はAさんには出て、Bさんにはでないのか?この問題を解くのも臨床薬理学の大きな仕事です。
 最後に、臨床薬理のめざす、安全で、効果的な薬物療法は各領域の専門医、基礎医学の研究者、薬剤師、看護婦さんなど多くの方と協力することによって初めて可能ですので宜しくお願いいたします。

(臨床薬理 植田真一郎)

                   臨床薬理 植田真一郎

 

めざせ!コンチネンスアドバイザー沖縄から発信

 

第1回セミナーは琉球大学医学部保健学科基礎看護学 看護演習室での開催でした。コンチネンス協会沖縄県支部の比嘉元子支部長(整形外科病棟副婦長)はじめ会員の皆様が協力して第2回コンチネンス初級セミナーを開催しました。10年前から洲鎌則子(精神神経科病棟婦長)を顧問として皮膚・泌尿器科病棟備瀬敏子婦長はじめ多くの関係者の皆様のご支援を頂き、尿失禁勉強会を開催して支部を結成するまでに至りました。社会のニーズが一段と増して私たちはどこでも対応できるコンチネンスアドバイザー人材育成を願っております。

(保健学科基礎看護学  大湾知子)

第2回コンチネンス初級セミナー開催
 コンチネンス活動の仲間を広げるために、沖縄で第2回コンチネンス初級セミナーを開催しました。多くのコンチネンスの仲間が増え、44名の種々の職種の受講生が参加しました。 
1回目:2月16日〜17日
2回目:3月16日〜17日
場所:沖縄市福祉文化プラザ
講師:コンチネンスアドバイザー 西村かおる
泌尿器科講師菅谷公男
社会福祉士釜土禮子
ソーシャルワーカー真喜志尚子
福祉関係用品取扱い業者各社
(10階西病棟副婦長 長嶺由樹子)

コンチネンス1

 



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